先日公開されたマーベル期待の最新作『マーベルズ(原題:The Marvels)』の中国での初週末興行収入はわずか1150万ドル(約17億3000万円)に留まった。
新型コロナウイルスの流行以降、マーベル・ユニバース(Marvel Universe)の中国市場における興行成績は、中米関係の悪化だけでなく、スーパーヒーロー美学疲れも相まって下降の一途を辿っている。中でも、総製作費2億ドル(約301億円)以上を投じた「マーベルズ」は大きな打撃を受けている。
コロナ前の2019年に公開された「キャプテン・マーベル」は、初週末興行収入が8,930万ドル(約135億円)、最終興収は約1億4,000万ドル(約211億円)を記録した。今回の新作は2000万ドル(約30.1億円)に達する見込みだが、中国での最終興収は過去最低となる勢いだ。
実際、「マーベルズ」だけでなく、今年中国で公開された他のマーベル作品も興行収入が伸び悩んでいる。今年2月に中国で公開された「アントマン&ワスプ:クアントマニア」の興行収入は約約3,800万ドル(約57億3,000万円)と、2018年に中国で公開された前作に比べて前年比67%減となった。
他のハリウッド映画と同様、2020年から2022年にかけてのマーベル映画は、コロナによる製作中止や公開遅延の影響を大きく受けている。 中国では「スーパーヒーロー」映画の興行収入が軒並み減少している一方で、他のタイプのアクション映画の興行収入は比較的好調だ。 例えば、今年5月にユニバーサル・ピクチャーズから公開された『ワイルド・スピード/ファイヤー・ブースト』は、公開週末興行収入5,110万米ドル(約77億300万円)、累計興行収入1億3,000万米ドル(約196億円)を突破し、今年中国で公開されたハリウッド映画で最高の興行収入を記録した。パラマウント・ピクチャーズ制作の「トランスフォーマー/ビースト覚醒」は初週末興行収入が約4,000万米ドル(約60億3,000万円)、累計興行収入は約9,200万米ドル(約138億7,000万円)を記録した。
また、クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」は、中国で6200万米ドル(約93億5000万円)近い興行収入をあげた。ザ・ハリッドリポーターは同作について、「英語の歴史長編映画が中国で驚くべき成功を収めた」と評した。
(中国経済新聞)