急速に普及している人工知能(AI)は今、芸術作品にも浸透している。美術、映像、文学、音楽など新たな分野で活用され、トレンドとなり、これらの作品とAIとのコラボレーションに注目が集まっている。
筆も絵の具も不要、説明調の言葉を入れて、画面のアングルや風格、塗り方などを決め、軽くマウスを動かせば、たちまち1枚または複数の絵が出来上がる。生成AI(AIGC)の急速な普及により、画像生成AIに目が向けられるようになった。
早期にAIに触れ、イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アート情報経験デザイン学科を卒業した劉佳玉さんは、2018年に自身初のAIによる作品「谷のほとり」を完成させた。スイスのジュー渓谷に行き、谷の上から空の写真を6400枚撮影し、それを機械に覚え込ませて一連の独特な画像を作り上げた。劉さんは2022年にも別のAIによる作品「虚極静篤」を制作し、第59回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の中国パビリオンで披露された。AIによるオリエンタルな技法にトライしたものだった。