経営危機に陥っている中国の不動産大手「中国恒大集団」(以下、恒大集団)は8月17日、米ニューヨークの裁判所に連邦破産法15条の適用を申請したと複数のアメリカメディアが報じた。
恒大集団が申請した連邦破産法15条は、外国企業が米国内に保有する資産を保護するための手続きで、難航している米ドル建て債務の再編協議を円滑に進める狙いがあるとみられている。
7月に発表された2022年末までの恒大集団の負債額は2兆4374億元(約49兆円)に上り、債務超過に陥っていた。今年3月には外貨建て債務の再編案が発表されたが、一部の債権者からしか同意が得られておらず合意には至っていない。
恒大集団は、1996年に広東省広州市で、董事局主席(会長)の許家印氏が創業した民間の不動産開発企業。不動産開発には多額の資金が必要な上に、電気自動車製造、サッカークラブなど経営の多角化を進めるために、さらなる借り入れや外債を中心とした債券発行を行った結果、同社の負債はみるみる増加。2021年夏ごろから不動産市況の悪化で資金繰りに行き詰まり、同年末には債務不履行(デフォルト)に陥った。
最近では、同じく中国の不動産最大手「碧桂園(カントリー・ガーデン)」でも資金繰り悪化が表面化しており不安が高まっている。
(中国経済新聞)