マルコ・ポーロも絶賛した「水の都」と呼ばれる杭州で、今、住民と市が汚染物質の無断排出により裁判沙汰へと発展している。
浙江省杭州市に住む徐さんは、2021年6月に汚染物質を含んだ水の排出設備を無断で設置したことで、市の生態環境局から是正措置の実施と罰金45万元の支払いを命じられ、その旨を示す決定書が郵送された。
しかし徐さんはこれに従わず、生態環境局は2022年1月に実行を求める督促状を発送したが、徐さんは受け取っていないとして市に不服審査を求めた。
市の調査では、宅配便の送り状に記載された徐さんのサインは本人が書いたものではないが、送付先住所の確認書や配達前の電話確認などから、経験的に見てこの文書は届いたものと判断され、徐さんの審査請求は期限を過ぎたとして却下した。
徐さんはこの件を杭州市上城区の裁判所に訴えたところ、市の不服審査決定に問題はないとして却下された。徐さんはこれを不服として杭州中級裁判所に控訴した。そこで杭州市人民政府の宦金元副市長が、責任者として法廷に臨んだ。
この場で徐さんは、自らの行為が環境汚染を招くことを認めて話し合いに応じる意向を示し、杭州市も争いの実質的解決に向けて裁判所に従って話し合いたいと表明した。
浙江省では2022年、訴訟で各自治体の行政機関の責任者が出席したケースが6769件あり、出席率は一審では98.92%に達し、7年連続で増加している。一審で政府主要部門が法廷に立つ割合は、集中不服審査を除けば100%となっている。
(中国経済新聞)