2022年、省・直轄市・自治区内の各市(地級市)別に見た人口増加数の上位10か所は江蘇省蘇州市、安徽省滁州市、安徽省蕪湖市、雲南省曲靖市、雲南省玉渓市、浙江省嘉興市、浙江省温州市、内モンゴル自治区オルドス市、安徽省馬鞍山市、福建省泉州市の順で、このうち蘇州市、滁州市、蕪湖市、曲靖市は5万人以上の増加であった。地域別では中西部が6か所ランクインしており、滁州市、蕪湖市、曲靖市などが思わぬ成長を見せた。
蘇州市は2022年末の常住人口が1291.1万人で、前年末より6.32万人、率にして0.5%増えた。2021年の増加数は2位で、2年連続でのベスト2入りを果たし、かなり魅力のある市となっている。
GDPを見ると、蘇州は2022年に2兆3958.34億元(約47.35兆円)で、2位の無錫市を9000億元(約17.79億円)引き離して悠々トップに立った。直轄市などを含めても、上海市、北京市、深セン市、重慶市、広東省広州市に次ぐ6位に食い込み、「ものすごい市」とも称された。
蘇州市は2022年、国内企業25社を含む29社が新規上場を果たし、年末時点での上場企業数は241社となった。このうち技術系ベンチャーが各市別で3番目に多い48社である。また事業の構造改革も顕著であり、ハイテク企業は5531社が新たに認定され、合計13473社となって国内4番目の数となった。
蘇州の成長ぶりについて、アモイ大学経済学部の丁長発准教授は「各都市の中でも経済構造の改革が特に進んでおり、大学などの立地も増えてハイテク面が伸びている」という。また、製造業も非常に発達し、中でもバイオ医薬品、集積回路、AIなどが成長著しく、モデルチェンジが進む中で研究開発にかなりの力を入れている。
産業構造の改革や新興産業の発展、上場会社の急増などで人材も集まっており、所得水準も高くてほぼ現地に家を構えて定住しているうえ、子供もいて人口増につながっていると専門家は指摘している。
(中国経済新聞)