中国の白物家電大手「美的集団(Media)」がスウェーデンの家電メーカー「エレクトロラックス」の買収を検討中と伝えられている。これについて美的集団は、「検証段階であって確実な情報はないと」と表明し、エレクトロラックス中国法人も「うわさについてはノーコメント」と述べている。
美的集団は、2022年の売上高が前年比0.79%増の3439.18億元(約6.73兆円)で、親会社帰属の純利益は同3.43%増の295.54億元(約5782億円)であった。主力事業の3分野を見ると、空調制御システムが6.17%増の1506.3億元(約2.95兆円)、ロボットおよび自動化システムが9.7%増の299.3億元(約5856億円)であったが、消費家電は4.99%减って1252.8億元(約2.45兆円)であった。
今回の買収の実現性について、美的とエレクトロラックスは過去に中国で提携ブランド「AEG」の普及に努めた経験があると業界関係者が述べている。また中国の家電大手による先進国での買収案件は今や普通であり、2016年には「ハイアール」がアメリカGEの家電事業(GEA)を買収している。美的も同年に東芝の白物家電事業を買収しているが、欧米市場では東芝ブランドの影響力は日本や東南アジアほど強くないので、仮にエレクトロラックスを買収すれば欧米で高級ブランドを確保できるものと見られる。
エレクトロラックスは2022年の決算で赤字を計上しており、売上高は前年比3.6%減の133.53億ドル(約1.81兆円)で、このうち第四四半期は前年同期比10.4%減の35.41億ドル(約4788億円)であった。
(中国経済新聞)