リサーチ会社のeu-evsのまとめによると、3月、ノルウェーでのトヨタ「bZ4X」の販売台数がVWの「ID.4」やテスラの「Model 3」を抜き、EV分野でテスラの「Model Y」に次ぐ2位の1007台であった。この数字はテスラの「Model 3」を大きく上回る。またBYDの「漢」は29台、「ATTO 3」は27台で、小鵬(Xiaopeng)の「P7」は10台であった。
その一方で、外資系自動車メーカーの幹部陣はおしなべて、「海外で人気の車種がなぜ中国で売れないのかわからない」と首をひねっている。
中国では、国産車と外国車の値段について、ガソリン車では同等か国産車の方が若干高かったが、トヨタのbZシリーズやVWのIDシリーズなどEV各車は、中国導入の際に海外より安めに設定されている。
ノルウェーで人気の「bZ4X」は最低価格が46410クローネ、中国元にして30.52万元(約584万円)であるが、中国ではその65.47%となる19.98万元(約383万円)で販売されている。
業界内では、「中国ではEV化や自動化を求める声が海外よりも高い中、海外メーカーの車種は大部分がガソリン車のアイデアを踏襲したもので、自動化レベルがそのニーズに遠く及ばず、中国産のEVに対抗できない」と見られている。一方海外では、新エネ車に対するニーズはおおむね動力源の切り替えであり、こうした車種の位置づけで十分需要を満たせるという。
新エネ車はここ2年連続で急成長している。炭酸リチウムなど資源価格の高騰による利益をバックに、川上側の資源や中間部分である電池で投資が拡大していたが、ここ何年かのリチウム鉱の開発ラッシュによる供給過多やデジタル製品の販売急減で炭酸リチウムが値下がりし、電池のコストが下がって新エネ車の利益圧迫状態も緩和したことで、エネルギー密度や技術の高い車種が成長している。
(中国経済新聞)