フォードの中国現地法人は2月24日、総裁兼最高経営責任者である陳安寧(Chen An Ning)氏が10月1日に定年で退任すると発表した。3月1日から取締役総経理兼最高執行責任者である呉勝波(Wu Sheng Bo)氏が同氏の後を継ぎ、フォードの総裁兼CEOであるジム・ファーリー氏の直属におかれる。
62歳の陳氏は10月1日の正式退任まで、ファーリー氏のもとでグローバル戦略における競争力や事業の成長案件に携わる。
新エネ車の売上が急増し国産ブランドが大きく伸びるなど変貌を遂げた2022年の中国の自動車市場で、フォードはまたも劣勢に立たされ、販売台数は50万台を切り、6億ドル(約819億円)の赤字を計上した。新エネ車についても、中国で初めて打ち出したEVのMustang Mach-Eの売上が下り坂となり、年間販売台数は5000台余りにとどまった。
新任の呉氏は、EV化への転換という岐路に立たされた中での「急遽抜てき」となり、早期に舵を切ることが任務となる。公開資料によると、呉氏は2022年10月、工程、製造、品質、購買などの責任者および商用車事業の全面的な管理を担当する取締役総経理兼最高執行責任者としてフォード中国に迎えられており、今回の人事は事実上の「天下り」となる。
(中国経済新聞)