国家電投集団氢能科技発展有限公司(以下「国氢科技」)は12月8日、北京で、Bラウンド融資の調印式を行った。金額45億元(約882億円)および見積額130億元(約2549億円)はともに業界内で過去最高となる。中国では水素事業の普及へ続々と支援策が打ち出され、また燃料電池車の販売が急増していることで、関係各社の動きも活発化しており、A株(中国株)や香港株での上場を目指す動きが出ている。
今回の融資について国氢科技は、国有の大手投資ファンドや金融機関、産業チェーンの各社および共同展開を実施できる民営投資家を招き入れるものと述べている。融資額は45億元(約882億円)で、中国の水素業界の単発融資額として最大である。またこの融資により国氢科技の評価額は130億元(約2549億円)となり、国家電投集団が育成した最初のユニコーン企業となったほか、水素業界で目下最高価値の企業ともなる。
共産党委員書記である国氢科技の李連荣(Li Lian Rong)会長は、「この融資を受けたのちIPOに向けて動き出し、水素業界のガリバーとなるべく足並みを早める。『国のために戦略を果たし、株主のために価値を創る』との固い約束を着実に行い、とことんまで水素をやる」述べている。
またこの業界は、好景気化するにつれて企業や投資機関などの動きも熱を帯びている。2022年1月~11月末、非上場の水素関連会社の融資案件は概算統計で21件、総額は30億元(約588億円)である。またA株上場社については3件で総額は167億元(約3274億円)以上である。
また一方、「業界初」となる水素関連製品も相次ぎ発表されている。12月3日にはグレーターベイエリア(広東省・香港・マカオ一帯)で「エコ輸送体系」が本格スタートし、広東省の「新氢動力」が業務用燃料電池車の生産を始めた。稼働ラインは業務用車両の動力システム専門のラインであり、中国初となる業務用燃料電池車の生産ラインとなる。
(中国経済新聞)