中国、直轄4市のトップがすべて交代 陳敏爾氏は天津市委書記に

2022/12/9 20:58

共産党大会を終えた中国で、各省・地域の「ナンバーワン」をめぐる人事が活発化している。12月8日はともに直轄市である重慶と天津が「トップ交代」を果たした。

中国共産党中央は8日、重慶市委書記の陳敏爾(Chen Min Er)氏が李鴻忠(Li Hong Zhong)氏に代わり天津市委書記に就任し、浙江省委書記の袁家軍(Yuan Jia Jun)氏が重慶市委書記に就任すると発表した。この前の10月28日には北京市市長の陳吉寧(Chen Ji Ning)(氏が李強氏の後任として上海市委書記に、11月13日には福建省委書記である尹力(Yi Li)氏が蔡奇(Cai Qi)氏に代わって北京市委書記に就任している。この結果、直轄市4か所は新たな「ナンバーワン」が出そろい、いずれも慣例通り中央政治局委員を兼任する。

陳敏爾(Chen Min Er)氏

ともに「1960年代生まれ」であるこの4人のうち、陳敏爾氏は前期の第19期に引き続き、また尹力氏、陳吉寧氏、袁家軍氏は今年10月から新規に中央政治局委員を務める。

1962年生まれの尹力氏は衛生相次官や国家食品薬品監督管理局局長を務めるなど衛生関連の業務が長く、2015年に四川省委副書記となり、その翌年に四川省省長、2020年に福建省委書記に就任している。

陳吉寧氏は1964年生まれで、清華大学総長を務めるなど学者畑の出身であり、2015年に環境保護相、2017年に北京市委副書記、市長代理となり、2018年に北京市市長に就任している。

陳吉寧氏

陳敏爾氏は1960年生生まれ、浙江日報社長の経験があり、浙江省常務委員、宣伝部部長、浙江省副省長などを経て2012年に貴州省へ異動し、省委副書記、省長、省委書記を歴任して2017年7月に重慶市委書記に就任している。

袁家軍(Yuan Jia Jun)氏は1962年生まれで航空宇宙畑を歩み、2012年に寧夏回族自治区へ異動して党常務委員、自治区政府常務副主席などを経験、2014年以降は浙江省常務委員、常務副省長、省委副書記、省長、省委書記を歴任している。

このほか、他の省でもトップの交代劇が見られた。

10月28日、中央政治局委員で中央宣伝部の部長であった黄坤明(Huang Kun Ming)氏が広東省委書記を兼務。

11月13日、人力資源・社会保障部部長であった周祖翼(Zhou Zu Yi)氏が福建省委書記に就任。

11月27日、陝西省省長の趙一徳(Zhao Yi De)氏が省委書記に就任。

11月28日、国務院国資委主任であった郝鵬(Hao Peng)氏が遼寧省委書記に就任。

12月7日、江西省委書記の易煉紅(Yi Lian Hong)氏が浙江省委書記に、甘肃省委書記の尹弘(Yi Huang)氏が江西省委書記に、黒竜江省省長の胡昌升(Hu Chang Sheng)氏が甘粛省委書記にそれぞれ就任した。

(中国経済新聞)