中国外貨準備高、11月は8.96兆円増加

2022/12/8 10:30

中国の外貨準備高が2か月連続で増えている。

中国外貨管理局が12月7日に発表した最新データによると、 2022年11月末現在の外貨準備高は3兆1175億ドル(約429.17兆円)で、10月末より651億ドル(8.96兆円)、率にして2.13%増えている。

外貨管理局によると、2022年11月は世界経済のデータや主要国の通貨政策の先行きなどを受けてドルが下落し、世界で金融資産の価格が上昇した。為替換算や資産価格の変化などにより外貨準備高が増えたとしている。

中国外貨投資研究院の趙慶明(Zhao Qingming)副院長は、「11月の外貨準備高651億ドル(8.96兆円)増加は主に為替換算によるもの。11月はドルが5%以上も値下がりし、円、ユーロ、英ポンドなどがドルに対し5%以上も値上がりした。中国の外貨準備高のうちこれらドル以外の資産をドル換算すれば額面上増額となり、この分がおそらく500億ドル(約6.88兆円)を超えただろう。また11月は欧米など先進国の債券価格もそれぞれ値上がりしており、これも準備高増加につながった」と述べている。

11月1か月間のドルに対する人民元の為替推移を見ると、1ドル7.30元から上昇の一途をたどり、トータルで0.1566元、率にして2.1%以上の値上がりとなった。この間にドルは5%値下がりしている。中間値で見ると、10月末の1ドル7.1768元から11月30日には7.1769元で、0.0001元の値下がりとなった。

外貨準備高の今後の見通しについて外貨管理局は、「経済安定化への包括的政策およびそれに続く措置が引続き実行され、本格的な効果が表れて、経済は緩やかに回復し、外貨準備規模もおおむね安定していく」と述べている。

また趙副院長は、「為替相場の変動や先進国の債券価格の推移を念頭に置いた中でも、中国の外貨準備高は回復傾向を維持するだろう」とも述べている。

(中国経済新聞)