テスラ、中国での隆盛はいつまで続くか

2022/10/14 11:30

中国乗用車協会によると、9月、テスラの中国での販売台数が月間で過去最高の83000台に達した。サプライチェーン問題の緩和や上海工場の生産が上向いたことによるものである。

テスラは現在、ほぼ3分の1を中国で製造しているが、モルガンスタンレーが最近発表したレポートによると、これから12か月間が中国での「隆盛期」とのことである。この理由は、海外市場のニーズ拡大を受けて各国の工場で生産を一段と増強すること、また現地のEVメーカーと過去にない競争を演じており、中国での地位が低下するためという。

上海にあるテスラのギガファクトリーは、9月現在、生産が30%アップして週におよそ22000台体制となっているが、決して「満杯」状態ではなく、稼働率を93%前後に抑えており、現在はEVを週におよそ2万台生産している。また納車日数も先月から短縮しつつあり、今は最短で1週間後に納車できるものもある。こうしたことから、今は需要もそれほど逼迫していない模様である。

中国で製造されるテスラの車両はこれまで大部分が海外向けであり、今年初めは6万台近い販売数のうち7割近くとなる4万台以上が輸出されていたが、現在は状況が変わっており、8月は60%が中国国内での販売となっている。

また中国では、競合社が一段と増え、手強くなっている。世界最大のEV市場となり、今年の新エネ車販売台数が新車全体の4分の1を占めると見られる中国には現在、300以上のメーカーがあり、3.5万元(71.6万円)前後からテスラやドイツの高級ブランド並みという各種様々なグレードのEVが供与されている。

この9月に2019年末以来の好成績を残したテスラであるが、20万台以上を売り上げたライバルのBYDの半分にも満たない。BYDは9月、前月比15%プラスの売上を記録し、目下全世界でのEV販売台数もテスラに次ぐ2位につけている。

(中国経済新聞)