9月30日、中国飯店協会(飲食店・ホテルの業界団体)と新華網(新華社のインターネットサイト)は共同で、「2022年中国飲食業年度報告」(以下、報告書)を北京で発表した。 報告書によると、業界が発展する一方で、人手不足などの問題は依然として解決する必要があり、第一線で活躍するサービススタッフに加え、事業運営やECマーケティングに関連する職種への人材需要も大きく高まっている。
また、報告書では飲食業界が標準化と発展の「黄金時代」を迎えたとした上で、ある産業が急速に発展した場合、しばしばそれを支える基準や規範がない状況が発生することがあると指摘している。基準作りの必要性に加え、飲食業において労働者の確保が難しい現状は変わっていない。中国飯店協会がコロナウイルス流行中に飲食・宿泊施設に対して行った調査結果によると、人手不足が会社の発展において大きな障害となっている一方、若者が就職のために別の場所へ移転することへの意欲が非常に強いことがわかった。固定化された雇用形態が障害となる中、「柔軟な雇用形態」は、飲食業界にとって人手不足を緩和するための新しいアイデアとなるかもしれない。報告書では、パートタイマーや派遣社員の雇用を増やすことで、人手不足をある程度緩和できるとしている。
加えて、ほとんどの飲食店が「負担軽減」や「雇用の保護」を要求しており、報告書には、飲食業界の将来の発展に対する信頼に影響を与える可能性のある13の法律と法規が記されている。その中でも「家賃の軽減」が66.27%と最も多く、次いで「雇用の保護(雇用安定支援、社会保険の減免、研修支援、従業員保護補助金など)」、「減税免税措置」が、それぞれ63.91%、63.31%を占めた。
現状では、ホール・フロアスタッフ(店員、受付、配膳係、ウェイターなど)、調理スタッフ(中華鍋担当料理人、パティシエ、専門料理人など)、キッチンスタッフ(皿洗いなどをする見習い)などの人手が逼迫している。また、店長やマネージャーなどの管理職の需要も増えており、コロナウイルス発生後、サービススタッフやマネジメントスタッフの需要増に加え、業務運営、プラットフォームの維持、マーケティング企画、グラフィックデザインなど、eコマースマーケティングに関連する新たな職種の需要も大幅に増加している。
(中国経済新聞)