9月13日、中国の不動産大手・恒大の香港本社ビルが、債権者である中信銀行子会社の中信銀行国際に引き取られたことが明るみになった。
業界関係者によると、費目の支払い遅延という違約を侵した恒大は、二度にわたりこのビルの売却を試みたが買い手が現れず、結局は融資元がこの資産を受け継ぐことになったと分析している。
このビルは、恒大が2015年に125億香港ドル(約2278億円)で購入したものだが、恒大は1か月余り前にその額を28%下回る推定90億香港ドル(約1640億円)で競売に出していた。
資料によると、このビルには現在、恒大本社のほか万通保険、雲峰金融、雲峰投資管理などが入居しており、入居率は8割となっている。
恒大にとってこのビルは、香港本社であるうえに巨額の融資源でもあった。2018年10月22日に、海外の債務およびその利息分の返済のために15億ドル(約2146億円)でこのビルの管理会社を担保とした、と伝えられている。
しかし、このビルは担保分もろとも債権者の手に渡ることになった。恒大はこのビルを担保に中信銀行国際が率いる企業グループに融資を提供していたが、その返済も果たせなくなった。
この融資は2021年下半期に違約との宣告を受けた。中信銀行国際はこの際に、価値のある抵当品を担保とすると表明していたが、それから1年間動きを見せず、恒大のビル売却による返済を待っていた。恒大は結局、二度にわたる売却案が失敗し、本社ビルを債権者に明け渡すことになった。
(中国経済新聞)