甘粛省蘭州で路線バスを運営している「蘭州公交集団」は給料の未払いが数か月間続いており、8864人の社員に対して融資で給料を受け取るようにとの通知を発した。
この理由について蘭州公交は、まず17年間に渡り運賃をわずか1元で据え置いていることを挙げ、さらにコロナによる景気の落ち込みや感染対策などでこの影響が顕在化したと表明している。「政府の補助金などがもう何年も十分に届かない中で、公共機関としてお年寄りや学生に割引運賃を実行しなければならず、この分で每年収入の10億元以上が失われている」とのことである。
会社は2年ほど前から経営が苦しくなっている。「2019年ごろから経営困難のために運賃の改定を求めている」とのことだが、コロナのために対応が遅れているという。
蘭州公交によると、融資が返済できないので銀行から資金が得られず、給料が払えなくなっているとのことである。8月末の時点で負債総額が39億元(約800億円)に達し、負債率は72%となっている。
給料は5月から8月まで未払いであり、9月も支給は無理と見られる。
蘭州では7月にコロナが発生し、7月7日から8月20日にかけて感染者数が合計650人、無症状の感染者は3842人であった。7月11日から市内全域が原則外出を認めない「静態管理」に入り、1か月経った8月中旬にようやく解除されている。
(中国経済新聞)