BYDは29日夜、財務諸表を発表し、今年上半期の売上高は前年同期比65.71%増の1506.07億元(約3.02兆円)、上場企業の株主に帰属する純利益は同206.35%増の35.95億元(約721億円)となったことを明らかにした。
BYDの上半期の販売台数は、前年同期比159%増の64.6万台で、そのうち純電気自動車は前年同期比249%増の32.4万台、プラグインハイブリッドカー(PHEV)は同456%増の31.5万台だった。全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)が開示したデータによると、上半期のBYDの新エネルギー車の市場シェアは約28%、プラグインハイブリッドカーの市場シェアは約63%であった。また、上半期の販売ランキング上位10車種のうち6車種をBYDが占めている。
注目すべきは、BYDの今年上半期の純利益が、すでに2021年通期(30.45億元(約611億円))を超えていることだ。今年に入ってから、BYDは電池の原材料価格の上昇などによる影響で、2度にわたって自社ブランド車の価格を引き上げた。車の価格は上昇したが、BYDの販売に影響はなく、価格上昇は収益にプラスに作用している。
BYDは、新エネルギー車メーカーであると同時に、駆動用バッテリーの会社でもある。中国の駆動用バッテリーの分野では、寧徳時代が上半期の市場シェア47.7%で依然として優勢であり、BYDは21.6%で2位であった。現段階では、駆動用バッテリーのコストが高く、原材料も高騰し続けている。BYDの場合は、電池を自社で生産しており、一部のモデルで全てを自社製品で賄うことができる。また、BYDは、サプライチェーンの上流企業と協力することで、上流の原材料メーカーに投資し、コストダウンを図っている。
野村総合研究所中国科学技術・通信業界のアナリストである段冰氏は、「上流の原材料生産能力が効果的に拡大された後、価格が早く安定する可能性があり、来年のリチウムの価格は30%以上下がる見込みで、電池工場と新エネルギー工場の操業圧力は効果的に緩和されるだろう。また、価格の上昇は正常な状態ではなく、バッテリー製造のプロセスは成熟度が増しており、正常な状態であれば、バッテリーのコストは毎年5%から10%低下する」と述べた。
(中国経済新聞)