中国の動画配信会社「楽視スーパーテレビ」は8月10日、テレビの委託先メーカー「南京CECパンダ」に品質上の欠陥があるとの公開状を発表した。この中で、円満な話し合いができずにやむなく公開するに至った旨を強調している。
楽視によると、2019年に子会社の「楽融致新」と「天津智融」が南京CECパンダ東莞支社にテレビの製造を委託することで合意し、今年3月までに4.3億元(約85.1億円)相当となる楽視向けのテレビ39万台が納入された。ところが、2020年7月から、画面に横や縦の線が出たり液もれしたりするなどのクレームが相次ぎ、調査の結果、南京CECパンダの液晶パネルは不良品率が業界の平均である2%を大きく超える20%近くに達していた。
楽視はこれについて、「品質に関する双方の契約に定められた1.8%を大幅に上回っているので、早期解決を図るため南京CECパンダは契約通りに別の画面を無償提供し、これに関わる全ての費用や賠償金を支払うべきだ」と主張した。ところがCECパンダはこれに応じず、6 月末の段階で、契約に定められたスペック未達分における賠償金額は合計 575 万元(約1.14億円)となっていながら、楽視側がすでに520 万元(約1.03億円)を負担している。画面交換が必要なものはあと6300 台あると見られ、さらに346 万元(約6845万円)の出費が必要となる。
今回の件について楽視は、「円満に話し合った上で対立を適切に処理したいと2020年から願い続けてきたが、南京CECパンダの東莞支社は撤退を間近に控えながら事後処理に消極的で、費用の支払いにも話し合いにも応じない」という。南京CECパンダは楽視スーパーテレビの97%を受注しているが、撤退するとの情報は伝えておらず、楽視からの派遣者も知らないという。
(中国経済新聞)