新東方、教育会社からビジネスに転換 「新業務でかなりの収入あり」と社長

2022/07/29 08:00

中国の教育事業グループ「新東方」が7月27日に発表した、アメリカ会計年度の四半期決算によると、今年5月31日までの3か月間の営業収入は前年同期より56.8%も下がって5.24億ドル(約710億円)であった。この主な理由は小中学生向けの学習指導が終了したためであり、営業赤字は前年同期より3.2%増えて1.056億ドル(約143億円)となっている。

中国政府が2021年に小中学生の塾通い禁止を発表したことで、新東方は廃業寸前に陥ってしまい、会社を立ち上げた兪敏洪氏はビジネス会社に方向転換することを決意した。

兪氏は、「2022年度は基幹業務や運営を見直し、新しいステップに入っている」と述べた。オンラインで発足した通販サイトの「東方甄選」が大きく成長し、購読者や会員を数千万人も集めた中、「これまでの運営で積み重ねたブランド性や教育資源を頼りに、文化技能系の教育など新たな業務で来年度はかなりの収入が生まれ出るだろう」と表明している。

2022年度は、農産物などを販売する「東方甄選」を立ち上げ、TiktokなどショートビデオのSNSを使ってライブ配信活動を行っている。東方甄選は購読者や会員を数千万人も集め、現段階で配信スタジオのフォロワー数は2333万人となっている。

決算発表後に行われた電話会議で新東方のある幹部は、「東方甄選が成功したことで新東方自身の教育業務の転換が大きく前進し、決算の数字にもそれが現れる」と述べた。

(中国経済新聞)