三菱と組んだ中国オフロード車の名門が転落、負債1828億円

2022/07/23 08:00

中国で一時期、小型オフロード車で43%以上のシェアを誇り、最大のSUVメーカーともなった湖南省所在の「レオパード」が、2017年を境に売上高を落とし、工場の操業停止や資金繰り問題、リストラや経営破綻による再編などといった情報が相次いでいる。発足から26年経った同社に対し、最近ようやく「救世主」となる引き取り手が現れたが、打ち出された再編案について、億単位の未払いに見舞われているディーラーが猛反対している。

レオパードは、苦境に陥って1年以上過ぎたのち、再編に向けての投資家が現れた。

しかし7月15日に行われた初めての債権者会議で、担当者より発表された「統合再編計画」に対して、ディーラーがNOを突き付けた。

 「60万元以下のものについては一般債権の30%で、60万元以上については7.46%で償還する」との計画であったが、中国各地にあるディーラーに対する未納額は計5億元以上で、この比率で償還するとしたら最終的にディーラーへ届く金額はごくわずかとなり、とても受け入れられないという。

「統合再編計画」によると、会社が現在分けられる金額は20.5億元(約416億円)であるが、債務の額は90億元(約1828億円)を超えている。

かつて中国最大のSUVメーカーであったレオパードは、ディーラーとの泥沼の紛争に陥ってしまった。

レオパードの親会社である長豊集団は、中国人民解放軍第7319工廠を前身に1950年に発足し、1995年に三菱自動車と提携してパジェロの技術を導入し、オフロード車の「レオパード」を打ち出した。湖南省に車両の製造拠点4か所を設けたほか、北京と長沙には開発センターもある。

しかしレオパードが2011年末に、三菱や広汽から離脱し、自社で開発、販売、サプライチェーン、製造体系を築こうとした。ところが開発力が弱かったうえに製品の質が悪く、ブランドイメージががた落ちして消費者の信頼感を失った。2019年には、売上台数が前年より61%も落ち込んで.32万台にとどまり、2020年には1200台まで下がるなど、もはや生き残りが難しくなっている。

(中国経済新聞)