上海市中級裁判所は、台湾籍の人気女優・張庭氏が社長を務める上海達爾威貿易有限公司(Dowell)の資産およそ94.96万元(約1914万円)を差し押さえる判決を下した。
上海Dowellは2013年6月に設立され、資本金およそ2.32億元、張氏が法定代表者兼社長で、その夫の林瑞陽氏が総代表である。差し押さえの理由は、建設コンサルティング会社の得盛公司に対する工事デザイン料の不払いである。
上海Dowellは過去にもトラブルを起こしており、河北省石家荘市で市場監督管理局により、「書簡による返答」との形で、オンラインでマルチ商法を行ったとして摘発したと発表されている。また、今年4月には湖北省保康県で、張氏が打ち立てたブランド「TST」の実行母体である上海Dowellが会員を対象に実行した賞金制度について、会員の新規加入をさせるようにして現場側と関係を作り、その加入実績によってオンライン側で報酬を与えるといった行為が、組織的なマルチ商法にあたると見なされた。よって、所得分の1927.99万元(約3億8890万円)を没収した上、170万元(約3425万円)の制裁金を課している。
上海Dowellは、こうした不正商法により、合計価値17億元(約342億円)に相当する不動産物件96件が差し押さえられた。
張氏は1970年に台湾で生まれ、上海師範大学大学院を卒業、1988年にCM撮影がきっかけで芸能界に入り、2000年にコメディ時代劇「絶色双嬌」に出演したことで中国でも脚光を浴びるようになった。2009年には「台湾人気NO.1女優」に選ばれている。
張氏は同じく台湾の俳優である林瑞陽氏と2006年に結婚し、上海に居を構えて会社の経営にあたっている。
(中国経済新聞)