相次ぐ豪雨・台風 広東省で保険金請求6万4,800件、迅速な災害対応進む

2026/07/31 12:30

中国・広東省では今年、記録的な豪雨や相次ぐ台風の影響により自然災害が多発し、保険業界の防災・減災対策と保険金支払い業務が例年以上の対応を迫られている。

広東金融監督管理局が7月30日に開いた記者会見によると、2026年の雨季入り以降、広東省の保険会社が受け付けた保険金請求は累計6万4,800件に達し、支払済みの保険金は5億8,600万元(約120億7,000万円、1元=約20.6円換算)を超えた。

同局は、災害発生前から気象情報を活用した避難・防災対策を進め、中山市など4地域で「保険+気象」の実証事業を展開。自動車保険の契約者に対し、豪雨や台風に関する高精度な気象警報や事前避難情報を提供した。

災害発生後は、大きな被害を受けた地域で自動車保険の広域連携による緊急対応体制を発動し、迅速な損害査定と保険金支払いを実施した。台風「紅霞」の上陸後、恵州市では38時間足らずで3,018万元(約6億2,200万円)の保険金が支払われた。

中国太平洋財産保険広東支社は、過去の浸水リスクデータを基に冠水しやすい地域を分析し、県内59カ所以上、総面積3万平方メートルを超える高台の駐車場を「防災緊急駐車場」として整備。台風や豪雨の警報発令時には市民へ無料開放し、車両移動の案内や注意喚起を行うことで被害の未然防止に努めた。

今年の第12号台風「紅霞」の接近時には、潮汕地区や恵州など7都市で20カ所の緊急駐車場を開設し、約1万6,500件の車両移動通知を配信した。また、企業92社を訪問して屋外資産の移動や排水設備の点検、簡易建物の補強を支援したほか、農業保険部門では約9,000ムー(約600ヘクタール)の穀物や果樹の収穫支援、4,000ムー以上の養殖池や128基の海上養殖施設の補強を実施した。

同社は、台風接近中は損害査定担当者を24時間体制で待機させ、7月28日18時時点で台風「紅霞」に関連する保険請求3,136件を受理。損害額は3,055万元(約6億2,900万円)と見込まれている。特に汕尾市では海洋養殖施設や漁獲物への被害が大きく、台風上陸から7時間以内に387万元(約8,000万円)の保険金を前払いするなど、迅速な被災者支援を行った。

広東省では今後も台風シーズンが続くことから、保険業界は気象機関や地方政府との連携を強化し、防災対策と迅速な保険金支払い体制の充実を進める方針だ。

(中国経済新聞)