中国EV、「製品輸出」から「エコシステム輸出」へ サプライチェーン一体で世界市場を攻略

2026/07/2 10:00

6月22日から26日にかけて、北京で**第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会(チェーン博)**が開催された。スマートカー分野の展示エリアでは、自動運転アルゴリズム、半導体材料、自動車向け電子部品、新エネルギー車(NEV)、スマート製造設備まで、自動車産業チェーン全体が一堂に集結した。中国の新エネルギー車産業の発展に伴い、関連サプライチェーンの海外展開が加速しており、出展企業からは「海外進出はもはや選択肢ではなく、必須課題になっている」との声が聞かれた。

業界関係者は、中国の新エネルギー車の海外展開は、単独企業による輸出から産業全体による総合的な海外展開へと移行する重要な段階に入っており、今後はグローバル市場へのさらなる深耕が求められると指摘している。

会場では、中国自動車産業の焦点が完成車メーカーだけでなく、産業チェーン全体へと広がっていることが鮮明となった。展示エリアには世界各国の企業が参加し、リチウム電池材料や電子制御システムなどの基幹部品から、コネクテッド技術、完成車、充電設備まで、自動車開発から生産に至るライフサイクル全体を紹介した。

完成車メーカーでは、賽力斯(セレス)がサプライチェーンパートナー専用展示エリアを設け、HuaweiやCATLなど、「AITO M9」の主要サプライヤー6社と共同でサプライチェーン協業の成果を披露した。

また、零跑汽車(Leapmotor)は完成車メーカーとTier1サプライヤーの両方の立場で出展し、フラッグシップモデル「D19」に加え、バッテリー、電動駆動システム、コンプレッサー、中央制御ユニットなど、自社開発した主要部品も展示した。同社によると、これらの部品は国内外10社以上の自動車メーカーへ供給されているという。

チェーン博初日には商談も進展し、吉星汽車科技(温州)は中国一能電気と戦略調達契約を締結。吉利(ジーリー)ブランドの純電動ダンプカーや環境衛生車両など450台を調達することで合意し、契約総額は2億2500万元(約47億3000万円、1元=約21円換算)を超えた。

海外展開について、中国国際貿易促進委員会機械業界分会の周衛東会長は、産業チェーンのグローバル化には、成長力の確保、日本・韓国メーカーが歩んできたグローバル化の発展段階への対応、そして変化する国際環境に適応するための現地生産・現地調達の推進という三つの意義があると説明した。

実際、サプライチェーン企業の海外進出も加速している。自動運転企業Momentaはドイツに研究開発拠点を設立し、2026年にはミュンヘンでRobotaxiの商業運行開始を計画。世界24社の自動車メーカーと提携し、世界上位10社のうち9社が顧客となっている。

車載電池メーカーでは、CATLのハンガリー工場が量産・出荷を開始。**国軒高科(Gotion High-tech)は研究開発から製造、納入までの一体型供給ネットワークを世界で構築しており、ドイツ・ゲッティンゲン工場では2026年第1四半期の生産額が3600万ユーロ超(約61億円)**となり、過去最高を記録した。

さらに、贛鋒鋰業(Ganfeng Lithium)はアルゼンチン、オーストラリア、マリ、シエラレオネなどでリチウム資源を開発しており、複数の鉱山がすでに稼働している。

こうした動きを受け、中国自動車工業協会の許海東副秘書長は、中国自動車産業の海外展開は「製品輸出」から「エコシステム輸出」へ移行していると指摘。完成車メーカーは単に車両を販売するだけでなく、生産、部品供給、サービスまで含めた現地産業の構築を進めていると述べた。

一方で、海外事業には課題も残る。企業関係者は、現地の法規制や環境基準、労働制度への対応が最大の課題の一つだと指摘する。また、販売後の保守・修理、部品供給を支えるサービスネットワークの整備も不可欠であり、ブランド価値の向上には品質やサービス体制の充実が欠かせないとしている。

専門家は、中国自動車産業が今後持続的に海外市場で成長するためには、製品、法規制、事業運営、文化、価値創造の五つの分野で現地市場への適応を進め、「製品輸出」から「産業チェーン・エコシステム輸出」へと発展させることが重要だと強調している。

(中国経済新聞)