アリババ、AI強化へ組織再編 技術委員会新設と「通義」事業部格上げで体制刷新

2026/04/9 09:31

阿里巴巴集团(アリババ)は4月8日、CEOの呉泳銘(ご・えいめい)が社内向け書簡を発表し、AI分野の強化に向けた組織再編を明らかにした。グループ技術委員会の新設や「通義」関連組織の再編を通じ、AI開発体制の一層の強化を図る。

今回の再編では、グループレベルで技術委員会を新設し、呉泳銘が委員長を務める。メンバーには周靖人、呉沢明(ご・たくめい)、李飛飛(り・ひひ)が参加。周靖人は首席AIアーキテクトとして全体設計を担い、李飛飛はクラウドおよびAIクラウド基盤の構築、呉沢明はグループの技術基盤およびAI推論基盤の整備を担当する。

また、「通義実験室」は「通義大規模モデル事業部」へと格上げされ、周靖人が責任者に就任。あわせて李飛飛がアリババクラウドの最高技術責任者(CTO)に就任し、呉沢明はグループCTO業務に専念する体制とした。さらに、タオバオ(Taobao)の即時配送サービス「淘宝閃購」のCEOには雷雁群が新たに就任する。

今回の組織再編は、大規模言語モデル「千問(Qwen)」の技術責任者だった林俊暘(りん・しゅんよう)の退職から約1カ月後に実施された。林氏の退職後には、追加学習(ポストトレーニング)責任者の郁博文や中核開発者の李凯新らも相次いで離脱している。

一方で、同社のAI戦略は引き続き積極的に進められている。3月16日には「Alibaba Token Hub(ATH)」事業群を正式に設立。通義実験室やモデル提供サービス(MaaS)関連事業、「千問」「悟空」など複数のAI部門を統合し、「トークンの創出・供給・活用」を軸とする新たな体制を構築した。ATHは呉泳銘が直接統括する。

さらに、3月末から4月初旬にかけては、「Qwen3.5-Omni」全モーダルモデル、「Wan2.7-Image」画像生成モデル、「Qwen3.6-Plus」など複数の新モデルを相次いで発表。「モデル=エージェント」という方向性を打ち出している。

呉泳銘は直近の決算説明会で、AI戦略の枠組みとして、半導体とクラウドを基盤とするインフラ層、その上にATHを中核とした大規模モデルやモデル提供サービス(MaaS)、さらに法人向け(ToB)・個人向け(ToC)アプリケーションから成る三層構造を提示。今後5年間でクラウドとAIの商業収入を年間1000億ドル規模に引き上げる目標も示している。

今回の技術委員会設立と通義組織の格上げは、ATH体制の上に統合的な技術ガバナンスを強化する動きと位置づけられ、AI分野での競争力強化に向けた重要な一手とみられる。

(中国経済新聞)