中国、トークン(日次利用量)が3カ月で4割増 全国統一データ市場の構築へ

2026/03/26 16:30

中国では、人工知能(AI)の急速な普及を背景に、「トークン(詞元)」の利用量が急増している。国家データ局の発表によると、2026年3月時点の1日当たりのトークン利用回数は140兆回を超え、2024年初の約1000億回と比べて1000倍以上に拡大した。さらに、2025年末の約100兆回からも、わずか3カ月で40%以上増加しており、AI活用の広がりが鮮明になっている。

トークン(詞元)とは、大規模言語モデルが情報を処理する際の最小単位であり、AI時代においては「計測可能・価格設定可能・取引可能」という特徴を持つ。現在、中国ではトークンの利用、配分、決済を軸に、新たな価値体系の構築が進んでおり、AI産業の商業化を支える重要な仕組みとなりつつある。

国家データ局の劉烈宏局長は、トークン利用量の急増について「中国のAI発展が急成長段階に入ったことを示している」と強調した。データ供給の拡大とデータ要素の価値の顕在化が進み、AIとデータの相互作用による好循環が形成されつつあると指摘している。

こうした動きを受け、中国政府は「人工知能プラス」の推進やデータ資源の高度活用を重要政策に位置付けている。2026年は「第15次五カ年計画」の初年度であり、同時に「データ要素の価値解放元年」とも位置付けられている。今後はデータの市場化と価値化を一段と加速させ、全国統一のデータ市場の構築を目指す方針だ。

高品質データの整備も進んでいる。2025年末時点で、中国全体の高品質データセットは10万件を超え、総容量は約890ペタバイトに達した。これは中国国家図書館のデジタル資源量の約310倍に相当し、AI開発の基盤としての重要性が一段と高まっている。

また、データ整備の分散や小規模化といった課題に対応するため、政府は複数の省庁と連携し、データセット構築の中核となる企業や先行プロジェクトを選定。共同研究やデータ共有を促進する仕組みづくりを進めている。さらに、成都、瀋陽、合肥など7都市をデータ注釈(ラベリング)の先行拠点として指定し、関連産業の育成にも力を入れている。

今後は、データ資産の権利関係を明確にする全国統一の登録制度の整備や、安全性と円滑な流通を両立させる制度設計が重要課題となる。いわゆる「データの安全・適法性・流通性」の三つの課題を解消し、データ要素の円滑な活用を実現することが狙いだ。

さらに、実際の活用分野の拡大も進められている。政府は「データ要素×」の取り組みを通じて産業横断的なデータ活用を促進しており、これまでに4万チーム以上、延べ22万人が関連コンテストに参加。300件以上の優秀プロジェクトと多数の実用事例が生まれている。

トークン(詞元)を軸としたデジタル経済の基盤整備と、全国統一データ市場の構築が進む中、中国のAI産業は今後さらに成長を加速させるとみられる。データと計算力を中核とする新たな成長モデルが、着実に形を整えつつある。

(中国経済新聞)