『アバター3』中国市場でプレセール低調、高額チケット価格を批判

2025/12/17 10:30

ジェームズ・キャメロン監督のSF大作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(通称『アバター3』)の公開が12月19日に迫る中、中国市場でのプレセール状況が予想を下回っている。グローバル興行収入歴代トップのシリーズ作品ながら、かつての熱狂的な人気は薄れているようだ。

同作は12月12日にプレセールを開始し、12月19日の正式公開に先駆け、12月18日夕方から超前上映が行われる。 runtime は198分とシリーズ最長を記録している。

市場調査会社“猫眼专业版”のデータによると、プレセール開始から約5日が経過した12月16日22時時点で、点映およびプレセール総興収は5100万元を突破した。しかし、日次増加額はほぼ1000万元ペースと低調だ。

前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年公開)と比較すると、プレセール成績はほぼ半減している。当時、コロナ禍で映画館稼働率が7割未満だったにもかかわらず、プレセール開始4日後(上映まで6日残し)で総興収は1億元を超えていた。

プレセールが期待外れの背景には、観客からのさまざまな不満がある。特に「チケット価格が高すぎる」という声が強く、一部の映画ファンは「価格の壁で諦めた」と率直に語る。

ネット上が「チケットが高すぎる」と指摘する一方、前作のストーリーが薄く、視覚効果も第1作ほどの革新的さがなかったため、「高額を払って第3作を見る気になれない」という意見も目立つ。また、3時間を超える長尺が観賞の負担になる点や、前作の口碑低下で第3作のクオリティに懐疑的な視線が向けられ、「盲目的に追わず、口碑が出てから判断する」という慎重派も増えている。

一方で、特殊効果上映(IMAXなど)の高額チケットでも「価値がある」と擁護する声もある。前作では最高チケット価格が300元(約6000円)を超えていた。

『アバター』シリーズはこれまで中国市場で強力な支持を集めてきたが、今回の低調ぶりは市場環境の変化や観客の選択基準の厳格化を反映しているのかもしれない。公開後の口碑と実際の興収推移が注目される。

(中国経済新聞)