9月24日、アリババ傘下のビッグデータ企業であるアリクラウド(阿里雲)が、クラウドコンピューティングの祭典「2025クラウド栖大会」にて、複数の技術進展を発表した。その中でも特に注目すべきは、言語、音声、ビジョン、マルチモーダル、コードなどのモデル分野をカバーする7つの大型モデル製品のアップデートだ。さらに、アリクラウドはAIアプリケーション開発プラットフォーム「百錬」やAIインフラのアップグレード、新たなグローバルインフラ拡張計画を同時に発表した。同日にはNVIDIAとのPhysical AI(フィジカルAI)分野での協力も明らかにした。
アリクラウドが発表した7つの大型モデルは以下の通りだ:
- アリ通義フラッグシップモデル「Qwen3-Max」のリリース
- 基礎モデルアーキテクチャ「Qwen3-Next」および関連シリーズモデルの正式発表
- 千問プログラミングモデル「Qwen3-Coder」のアップグレード
- 次世代ビジョン理解モデル「Qwen3-VL」のオープンソース化
- 通義マルチモーダル事前学習モデル「Qwen3-Omniシリーズ」のリリース
- 通義万相「Wan2.5 previewシリーズ」のリリース
- 全新音声大型モデル「通義百聆」の発表
これらのモデルは、言語処理、音声認識、ビジョン処理、マルチモーダル機能、プログラミング支援など多岐にわたる分野をカバーする。特に、今年に入ってアリクラウドはモデルのマルチモーダル機能と推論能力の強化に注力し、既に動画生成モデル「通義万相2.1」や閉源モデル「Qwen2.5-MAX」、オープンソースモデル「Qwen2.5-1M」「QwQ-32B」「Qwen3」などをリリースした。
アリクラウドは、NVIDIAとのPhysical AI分野での協力を発表した。アリクラウドのAIプラットフォーム「PAI」は、NVIDIAのPhysical AIソフトウェアスタックを統合し、データ前処理、シミュレーションデータ生成、モデルトレーニング評価、ロボット強化学習、シミュレーションテストなどを含むエンドツーエンドのプラットフォームサービスを企業ユーザーに提供する。この協力により、アリクラウドはAI技術の応用範囲を拡大し、ロボティクスやスマート製造などの分野でのイノベーションを加速させる狙いだ。
アリクラウドの製品リリースラッシュは、アリババグループの株価に大きな影響を与えた。9月24日、アリババの香港株式市場での終値は9.16%上昇し、1株あたり174香港ドルに達し、過去4年間の最高値を記録した。米国市場のプレマーケットでも株価は8.87%上昇し、1ADSあたり177.55ドル、総時価総額は3888億ドルに達した。この株価急騰は、市場がアリクラウドの技術進展と成長戦略に高い期待を寄せていることを示す。
(中国経済新聞)