世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、中国の電気自動車(EV)メーカーであるBYD(比亚迪)の保有株式をすべて売却したと、複数のメディアが報じた。この動きは、投資業界や市場関係者の間で大きな注目を集めた。BYD側はこれに対し、公式な声明を通じて冷静な対応を示し、「株の売買は普通のこと」とコメントした。
バークシャー・ハサウェイは、2008年にBYDの株式を約2億3200万ドルで取得し、当時約10%の株式を保有した。この投資は、バフェット氏のパートナーである故チャーリー・マンガー氏がBYDの成長性と技術力を高く評価したことがきっかけだった。BYDは当時、電気自動車やバッテリー技術の分野で急速に成長し、バフェット氏の投資は同社の国際的な認知度を高める一因となった。

しかし、2022年8月からバークシャーはBYD株の段階的な売却を開始した。2024年6月時点で保有比率は5%を下回り、最近の報道によれば、ついに全株式を売却した。今回の売却により、バークシャーはBYDへの17年間にわたる投資を終了した。
BYDのブランドおよび広報部門の総責任者である李雲飛氏は、自身の微博(Weibo)アカウントでこの件についてコメントした。李氏は以下のように述べた:
「2022年8月より、バークシャー・ハサウェイは2008年に購入した当社株式の売却を段階的に進めた。2024年6月には保有比率が5%を下回った。株式投資においては、買いもあれば売りもある。これは非常に普通のことだ。マンガー氏とバフェット氏によるBYDへの評価に感謝する。また、過去17年間の投資、支援、そして伴走にも感謝する。長期主義を貫くすべての者に敬意を表する!」
この声明は、BYDがバフェット氏の売却を冷静に受け止め、長期的な視点で事業を進める姿勢を強調するものだ。BYDは、バフェット氏の投資が同社の成長に大きく寄与したことを認めつつ、売却自体は投資の自然なプロセスであると捉えた。
バフェット氏のBYD株売却は、市場に一定の影響を与える可能性がある。バフェット氏は「オマハの賢人」として知られ、彼の投資判断は多くの投資家にとって重要な指標とされる。そのため、今回の売却はBYDの株価や市場の信頼感に一時的な影響を及ぼす可能性が指摘された。
(中国経済新聞)