アフリカ16カ国の企業代表団が浙江を訪問 「デジタル・シルクロード」共築へ

2025/09/22 10:22

9月18日から20日にかけて、アフリカ16カ国からの企業代表団が中国・浙江省を訪れた。金華市や義烏市にある脈鏈(マイチェーン)グループ、浙江潤峰健康科技有限公司、そして「世界のスーパー」と呼ばれる義烏国際商貿城などを相次いで視察し、中国との新たな協力の可能性を探った。

「伝統的な貿易を“普通列車”に例えるなら、越境ECは“特急”、そして企業が力を合わせて海外に進出するのは“新幹線”です」。脈鏈グループの徐偉強董事長はこう語り、協力の重要性を強調した。同社はデジタルプラットフォームを活用し、生産・流通・サービスを統合することで産業クラスターの「合同出海」を推進。すでに447の工場、100の販売代理店、125のブランドが参加している。

アフリカ出身で現地スタッフとして説明を担当した白小龍氏は、「この仕組みは中国製品の輸出を後押しするだけでなく、アフリカ企業にとっても必要な商品やサービスを正確に見つける助けになる」と語った。

ジンバブエから蜂蜜や蜜蝋製品を持参したタピワ・タポムワ氏は、商談会で全商品を売り切ることができ、中国市場の可能性を実感。「地元には20社以上の養蜂業者があります。適切な仕組みを整えて中国と連携できれば、一企業だけでなく産業全体が恩恵を受けられるはずです」と期待を示した。

義烏国際商貿城では、五金工具から電子製品まで210万点を超える商品が並び、代表団は圧倒された様子だった。ここには7万5,000以上のブースが設けられ、世界的な商品取引のハブとしての存在感を誇る。エジプトの工芸品事業者ヒシャム氏は訪問中、熱心に写真を撮りながら「浙江潤峰健康科技有限公司で見た多彩な製品ラインや研究開発への投資、効率的なデジタル運営体制は非常に印象的でした。義烏では皮革資材や部品の仕入れ先を見つけ、製品の付加価値を高めたい」と語った。

視察の場では具体的な成果も生まれている。安徽省の安徳利グループ傘下・三利風サプライチェーン管理有限公司は、ブルンジ、タンザニア、ザンビアの企業とコーヒー、蜂蜜、魚類製品の調達に関する意向書を締結。浙江慧創工貿有限公司はナイジェリアの企業と約3,200万ドル(約47億円)規模の電動工具調達契約を結んだ。また、杭州中非橋電子商務有限公司はエチオピア、ガボン、マダガスカルの企業とサービス契約を結び、コンサルティングや商談マッチングなど国際ビジネス支援を行うことになった。

タンザニアのレジナード・サリア氏は「中国のパートナーはECプラットフォームの提供やスキル研修を通じ、私たちの運営能力を高めてくれる。グローバル市場を開拓できることこそ、互恵協力の象徴です」と述べた。

商品の相互流通から、電子商取引サービスや産業チェーンの協力へ。中非間の経済交流は広がり続けている。今回の浙江での交流は、アフリカと中国が共に描く「デジタル・シルクロード」における新たな一歩となった。

(中国経済新聞)