最近、国際金価格が大幅な変動を見せる。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ前に史上最高値を連続で更新した後、投資家の利益確定売りにより下落する。しかし、今週の金価格は0.53%の上昇を記録する。そんな中、中国最大の金ジュエリー集散地である深圳水貝で、衝撃的な事件が発覚する。金原料サプライヤーが巨額の資金を持ち逃げし、姿を消す。
深圳水貝の興隆黄金珠宝大厦6階に位置する「宝鑫金料商」の店舗は、現在、ドアが閉ざされ、封印が貼られる。「粤宝鑫」の看板も取り外された状態だ。周辺の商人によると、9月12日までは通常営業していたが、9月13日の午前中に突然、店舗が無人となる。
9月13日、複数の金関連業者が深圳警察に通報する。彼らは「粤宝鑫」に多額の前払い金を支払った後、会社の責任者と連絡が取れなくなる。深圳水貝の金関連業者である王氏が次のように語る。「被害者が自発的にグループを作る。最も被害額が大きい人は約400万元(約8000万円)相当の損失を被る。数十万元の被害を受けた人も非常に多く、被害者のグループには約400人が参加し、さらに増え続ける。地方から来た被害者もいる。」
「粤宝鑫」の正式名称は「深圳市粤宝鑫貴金属有限公司」で、2023年8月に設立される。水貝市場で比較的大規模な金原料の中間業者として、下流の加工業者に金原料を供給する。また、地方の業者も回収した金を粤宝鑫に郵送し、精算を依頼する。新疆の金ジュエリー店経営者である雷氏が、「9月10日に1.2キログラムの金を送り、9月12日朝に到着する。しかし、9月13日正午から徐々に連絡が取れなくなる。金素材を送った業者は、まるで金を飲み込まれたような状況で、被害額は約80万元(約1600万円)に上る」と述べる。
粤宝鑫の連絡先に電話をかけても、応答がない。現在、一部の被害者が共同で深圳市公安局羅湖分局翠竹派出所に通報し、警察は正式に事件を受理する。現在、関係会社の資金の流れや関連人物の状況について調査が進められる。
この事件は、深圳水貝の金市場に大きな衝撃を与え、被害者の数と損失額はさらに増える可能性がある。
(中国経済新聞)