中国の映画制作会社・光線メディア(300251.SZ)は8月26日、2025年上半期(1〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比143%増の32億4200万元(約648億円)、純利益は同371.55%増の22億2900万元(約446億円)と大幅な増益を記録した。
業績を牽引したのは、同社が制作したアニメ映画『哪吒2』の大ヒットだ。作品は中国本土に加え、香港・マカオ・台湾やカナダ、アメリカ海外を含む累計興行収入159億1200万元(約3182億円)、観客動員数3億2400万人を突破。関連グッズや派生ビジネスを含めた映画関連事業の売上高は31億元(約620億円)に達し、粗利益率は80.03%と高水準を示した。

一方で、同社株は好決算発表当日の午後1時時点で約3%下落した。市場関係者は「『哪吒2』によって株価は第1四半期に大きく上昇しており、足元の株価は横ばい。今後の株価上昇には新たなヒット作が必要」と分析する。
光線メディアは次期アニメーション作品の制作を積極的に進めている。現在、『去你的島』『羅刹海市』『大魚海棠2』『相思』などが制作中で、『涿鹿』『姜子牙2』『茶啊二中2』『大魚海棠3』『妲己』『二郎神』などの企画も進行している。アニメ制作チームは既に170人を超え、今後2〜3年で300人規模に拡大し、年間1.5〜2本の高品質アニメ映画を制作できる体制を整える方針だ。同社は「神話宇宙」シリーズの長期的な展開に意欲を示している。
さらに、新たな収益源としてゲームやカード事業にも注力。すでにパートナー企業と共同でゲーム会社を設立し、50人以上の体制でAAAタイトルの開発を進めている。カード事業についても、IPごとの特性に合わせた運営計画を策定し、段階的に展開している。
中国映画市場で最大級のヒットを記録した『哪吒2』を起点に、光線メディアは映画・アニメだけでなく、ゲームや周辺ビジネスを含む総合的なエンターテインメント企業への進化を目指している。
(中国経済新聞)