2025年中国アニメの新作紹介

2025/08/3 23:33

ここ数年アニメ制作会社が続々と出現している中国。中でも芸画開天、玄機科技、若森数字、追光動画などは、作品のクオリティや口コミで評判の高い実力派の大手企業である。今回は、これらのアニメ制作大手が2025年に送り出している新作を紹介しよう。

芸画開天「霊籠」Part2

オリジナルアニメとゲームの開発を手掛ける2015年設立の芸画開天。IPの全産業チェーンにまたがるデジタルエンタメ会社で、アニメ、漫画、映画、ゲーム、通販、ライセンス、グッズなど幅広く事業展開し、高度な工業化制作レベルやオリジナル創作力を誇る。代表作の一つである「霊籠」は、未来世界で人類が環境破壊による災害に見舞われ、生存者が空中の「灯台」に逃げ込み、過酷な環境で生き抜こうとする物語。東洋の知恵に導かれ、人類が助け合いながら運命共同体を築き、困難を乗り越えて未来に進むという強い意志と勇気を描く。放映開始とともに数千万のファンを魅了し、「金龍賞」「金猴賞」「金海豚賞」など、政府やメディア・業界から多数の賞を獲得した。

初作のストーリーを引き継ぎ5月23日から配信されているPart2は、新たな地上部族「竜骨村」が登場。美的感覚のある繊細な映像や緊迫したストーリー、生き生きした新たなキャラクターなどで口コミは相変わらず上々であり、配信初日には同時視聴者数18.7万人を記録。Bilibiliでは1話の会員視聴数が配信から57時間で2,000万人を突破しランキング1位となったほか、フォロワー数は1,000万人以上、評価点が9.8という高得点で、ブームを巻き起こしている。

玄機科技「牧神記」

老舗のアニメ会社で、3Dデジタルコンテンツ制作に特化している玄机科技。代表作は有名な「秦時明月」のほか、「闘羅大陸」、「吞噬星空」などがある。「牧神記」は2024年から放映され、少年・秦牧が「大墟残老村」から旅立ち、9人の長老に伝授された技量を活かして次々と試練を乗り越え、自身の出生の謎を解き明かす。そして「天聖教」を打ち立て、朝廷の圧政に対抗しながら「牧神」となりゆく物語である。Bilibiliではフォロー数300万人以上、評価点9.6点であった。

若森数字「画江湖之不良人」Part7

早くから北京で設立され、オリジナルIP制作を軸として制作技術・IP運営・事業展開を長所とする若森数字。代表作は「侠嵐」や「画江湖」シリーズなどである。2025年に放映開始となった「画江湖之不良人」Part 7は、主人公・李星雲が不良人たちを連れて漠北へ赴き、様々な勢力の動きを探る物語。李星雲は各勢力とやり合いながら成長や試練を経て、混とんとした情勢の中で安定感や責任感を見せつける。

追光動画「聊斎・蘭若寺」

中国の文化をふんだんに盛り込み、海外にも誇れるアニメ映画を数多く制作し、創作面で着実な基盤と独自のアングルを有する追光動画。なじみの「新神榜」シリーズ、「白蛇」シリーズ、「長安三万里」などを生み出している。2025年7月に公開予定の新作「聊斎・蘭若寺」は、聊斎のメインストーリーを軸に、蒲松齢の物語数作を組み合わせ、多層で豊かな東洋の幻想を作り上げ、人間・幽霊・仙人・妖怪と生死・愛と憎しみを表現する。

原力動画「凡人修仙伝」

3Dアニメ制作およびVFX制作に特化し、優れた技術力や豊富なリソースをバックに国内外のデジタル制作業界の実力者である江蘇省の原力動画。「闘破蒼穹」シリーズや「凡人修仙伝」などの作品がある。

現在も連載中の長期もの「凡人修仙伝」は、山村の少年だった主人公・韓立が知恵や勇気、不屈の精神を武器に修仙の道を歩み続け、数々の困難を乗り越え、修仙界の大宗師となりゆく物語である。

(中国経済新聞)