6月12日、中国中央規律検査委員会および国家監察委員会は、国家鉄道局党組書記兼局長の費東斌氏が重大な規律違反および法律違反の疑いで、現在、拘束および調査を受けていると発表した。
公開情報によると、費東斌氏は1970年8月生まれ、遼寧省錦州市出身で、工学修士号を持ち、シニアエンジニアの資格を有する。鉄道部門で長年勤務し、一名エンジニアから国家鉄道局長まで昇進した人物であり、共産党第20期中央候補委員でもある。

費氏は1991年に長沙鉄道学院(現・中南大学)の鉄道運輸専攻を卒業後、瀋陽鉄道局瀋陽分局蘇家屯駅で実習生および助理工程師としてキャリアをスタート。2005年には瀋陽鉄道局の総工程師(副局長級)に昇進した。その後、青蔵鉄道公司の常務副総経理、鉄道部運輸局副局長兼客運専線技術部主任、北京鉄道局常務副局長、济南鉄道局常務副局長、呼和浩特鉄道局長など、鉄道部門の要職を歴任した。
2016年、25年間勤務した鉄道部門を離れ、費氏は呼和浩特市党委副書記および政法委員会書記に就任。その後、烏蘭察布市党委副書記、市長、市党委書記を務めた。2021年には河南省副省長に任命され、副部長級(副大臣)に昇進し、省委常委に名を連ねた。2022年、鉄道事業に復帰し、国家鉄道局長および党組書記に就任したが、今回の調査に至った。
国家鉄道局の公式ウェブサイトによると、費氏は拘束発表の1週間前、6月5日に北京でモンゴル鉄道局長と会談していた。
2013年の国務院機関改革により、旧鉄道部は廃止され、鉄道の政企分離が実施された。鉄道部の発展計画・政策立案の行政職責は運輸部に移管され、鉄道部のその他の行政職責を担う国家鉄道局が設立された。一方、鉄道部の企業職責は中国鉄路総公司(現・中国国家鉄路集団)に引き継がれた。
費東斌氏は、2014年1月の国家鉄道局設立以来、初めて拘束対象となった局長である。なお、旧鉄道部の最後の2人の部長、劉志軍氏(2011年)と盛光祖氏(2022年)もそれぞれ汚職などで調査を受け、「落馬」している。
費氏の調査は、中国政府の反腐敗キャンペーンが引き続き高級官僚にも及んでいることを示している。今後の調査の進展が注目される。
(中国経済新聞)