中米経済貿易協議メカニズムの初会合が、現地時間6月10日、イギリス・ロンドンで終了した。2日間にわたる会議の結果、両国の交渉団は原則的に合意の枠組みを形成するに至った。中国側代表として出席した商務部国際貿易交渉代表兼副部長の李成鋼氏は、記者団に対し「我々の対話は非常に専門的かつ理性的で、率直で深いものであった」と語った。
この会談では、6月5日に行われた中米両国首脳の電話会談で得られた共通認識、及びジュネーブ会談の成果を基に、経済貿易関係の安定と発展を図る枠組みが構築されたとされる。李氏は「ロンドン会談の進展は、中米間の信頼を深め、世界経済にも前向きなエネルギーを与えるものだ」と述べた。
アメリカ側の対応としては、商務長官のルートニック氏が11日に、「ロンドンでの成果はジュネーブ合意と首脳電話会談の成果を統合したものであり、大統領の承認を得られれば実施に移す」と表明。特にレアアースや磁石の問題も、今回の枠組みの中で解決の道筋が示される見込みだという。
アメリカ通商代表のグリア氏は、両国は引き続き密接な連絡を保っているとしながらも、現時点では次回会議の日程は未定であると述べた。
今回の会談では、これまで中米交渉の中核を担ってきた王受文副部長に代わり、李成鋼副部長が初めて主要交渉役として登場。その交渉力と冷静な対応が注目を集めた。
李成鋼氏は1967年2月、安徽省太湖県の出身。北京大学法学部を卒業後、ドイツ・ハンブルク大学で法経学の修士号を取得。1989年より政府での勤務を開始し、2004年には商務部進出口公平貿易局の副局長に就任。その後、条約法律司の副司長・司長などを歴任し、2013年から2014年には山東省青島市の副市長も務めた。2021年には中国のWTO常駐代表となり、2025年3月より現職の国際貿易交渉代表兼副部長に就任している。
李氏の国際法に基づいた交渉力と長年の貿易・条約関連の経験は、今後の中米経済関係において、重要な役割を果たすと期待されている。
(中国経済新聞)