2024年、海外で人気をさらった中国商品とは ~その1

2025/01/12 18:35

2024年は、数々の中国の商品や企業が世界で進撃を見せた。これらはどのように人気を集め、さらにどのような課題を抱えているのだろうか。

2024年、中国風ミルクティーが中東で人気

サウジアラビアの首都リヤドでは、高級車十数台が列をなして待っている光景が見られるのは中国風ミルクティーの店のみである。

ミルクティーは、中国国内では激しい競争のさなかにあるが、海外では急激に人気を集めている。2024年時点における各店の海外進出状況を見ると、まず「鹿角巷」(THE ALLEY)は23か国で計500店舗を構え、店当たりの月間売上高は100万元以上である。また「喜茶」(HEYTEA)はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどで、相次ぎ繁華街に現地初店舗をオープンさせており、中でもロンドンのSOHO店は1日の売れ行きが最大で2000杯、平均でも1300杯以上で、売上高は最高で1.2万ポンド以上となっている。「蜜雪氷城」(MIXUE)はすでに店舗を東南アジアからシドニーにまで拡大し、合計4000店以上に達している。

「喜茶」はロンドンで行列のできる店になっている

中国風の茶飲料の海外進出先として、一番人気の場所は年間消費額36.6億ドルという東南アジアであり、中でもインドネシアは消費額が43%にあたる16億ドルで、トップに立っている。

アメリカでは市場規模がすでに5.05億ドルに達しており、このまま年平均7.42%の割合で成長し2030年には8.33億ドルとなる見込みである。

2024年、中国文化の新「三種の神器」が海外で脚光

ネット文学、ネットドラマ、ネットゲームに代表される中国文化の新「三種の神器」が、世界で「中国風」を引き起こしている。中国国内で脚光を浴びている中、波に乗って「海外進出」も果たしている。

中国のネット文学作品は、2022年に16作品が大英図書館に収録され、去年はまた20の作品がヨーロッパの各文化機関に収められた。中国のネット文学は今や、アメリカのハリウッド映画、日本のアニメ、韓国のトレンディドラマと肩を並べ、「世界の四大文化現象」と言われている。

これら中国の作品のうち、海外でリリースされたのは約69.58万部で、売上高は43.5億元となっている。20か国以上の言語に翻訳され、海外のアクティブユーザー数は2億人近くとなり、このうち「Z世代」が80%を占め、200以上の国や地域で読まれている。

また一方、ネットドラマも海外で人気である。海の向こうのフランスでは、ホラーサスペンスの「19層」がかなりの視聴者を集めている。

さらに、現象級のブームを引き起こしたのが中国の動画ゲームで初めての3A級となる「黒神話:悟空」である。

「黒神話:悟空」は、PCゲームアプリ「Steam」で8月20日のリリース当日に300万本以上が売れ、現在の販売数は2250万本、売上高は11億ドル以上に達している。

この後押しを受け、2024年第3四半期は中国発のゲームの海外での売上高合計額が過去最高の368.35億元を記録した。

中国文化の新「三種の神器」は、文化へのニーズが断片化し、多様化している海外への進出が一段と加速している。

2024年、Made in Chinaが海外で飛躍。

最近、若者がアメリカで「オート3輪」販売、3か月で売上100万元、との話題が注目されている。貴州省出身の若者がアメリカで中国製電動車の販売を始め、わずか2か月間で200台余りを売りさばき、3か月目には利益が100万元に達したという。

大ヒットを果たした秘訣についてこの若者は、中国で耳慣れた「バックします。ご注意下さい。バックします。ご注意下さい。バックします。ご注意下さい・・・」という音声ガイドを理由に挙げた。

この音声は海外のSNSで、耳にこびりつくBGMになっているという。また、中国の「オート3輪」は便利で実用的な交通手段であり、海外ではニーズに十分応える存在になっている。

中国製オート3輪は、海外での毎月の引き合い数はソーラーパネルなどを約38%上回っており、去年の最大の成果は第11回中国三輪オートバイ業界発展フォーラム兼第3回輸出商談注文会で、3日間の契約金額が過去最高となる約5億元に達したことだろう。

海外の主な販売先はアジア太平洋地域、北米、ヨーロッパ、中東、北アフリカなどで、2023年の市場シェアを見るとアジア太平洋が約90.06%を占めており、ヨーロッパは次点でおよそ5.14%とまだまだ伸びる余地がある。このほか大型トラックや電動フォークリフト、二輪車なども、海外でかなりの引き合いを受けている。

市場リサーチ会社の百諫方略によると、世界の電動三輪車の売上高は2023年が618.6億元で、2030年には1498.9億元となる見込みである。

(つづき)

(中国経済新聞)