CATL、一体型のシャーシ「CIIC」を発表

2024/12/29 18:30

12月24日、中国の世界最大手EV用蓄電池メーカーの寧徳時代新能源(CATL)は、新型のシャーシ「磐石」(CIIC)を発表した。車載電池を中心にシャーシとの一体化を実現した(Cell to Chassis)技術を採用し、電気セルを直接シャーシに統合し、構造的にシャーシと共通化している。電池、モーター、電圧制御、ステアリング、ブレーキ、サスペンションなど基幹部位を統合した上、ボディーとシャーシがデカップリング構造となり、車のデザインを一新するものである。

このシャーシの最大の見どころはスケボー型のデザインであり、シャーシに車体を取り付けるだけで自動車が出来上がり、複雑な製造工程が簡略化する。CATLはこの日、新興EVメーカー「アバターテクノロジー」(Avatr Technology)にこのシャーシを供与することで合意したと発表した。

CATLは、自動車業界における開発期間の長さや高いコストといった問題に対し、「一体型シャーシ構造」により様々な車種への適用が可能なソリューションToolkitsを打ち出した。これまで36か月以上かかっていた車両の開発期間を12~18か月に短縮した上、コストも大幅に削減する。これについて、寧徳時代(上海)智能科技(スケボー型シャーシを手掛けるCATLの子会社)の取締役総経理である楊漢兵氏は以前、「開発費用は車両メーカーが自社開発する場合の3分の1程度。60%~70%削減できるうえ、資材のコストも5%抑えられる」と述べていた。CATLからすれば、このシャーシは電池と抱き合わせ販売できる上、事業としての成長も期待されるので、自動車メーカー側と「ウィンウィン」となるものである。

業界関係者によると、CATLのスケボー型シャーシは現在、主な利用対象となるのは大手ではなく新興の自動車メーカーや、巨額の新車開発費を賄えない不況メーカーとのことである。こうした事業者にとっては、車造りが一段と容易になることで、製品の定義と実際の使い心地が密接に関わる自動運転やスマートシート、車のデザインなど、ボディーへの取り組みに一段と注力できる。

スケボー型シャーシはまた中長期的に見て、Robotaxi、Robobus、RoboVan、Robo-Chargerなど特別仕様となるRoboXシリーズの「定番アイテム」となる可能性もある。

(中国経済新聞)