12月18日、EV用蓄電池メーカーの世界最大手・中国の寧徳時代新能源(CATL)の会長でCEOである曽毓群氏は、福建省アモイで開催した「2024Choco-SEB電池交換生態大会」で、「EVへのエネルギー供与について、電池交換と家庭での充電、公共の充電が2030年までに3本の柱となる」と述べた。また、新たな電池は今後すべて交換対応用のChoco-SEBとするという。燃料電池を巡る競争は激しくなっており、これからの見通しを考えると、電池交換や蓄電がCATLの向こう数年間における主な取り組みになるだろう。
電池の交換は、通常の充電やエネルギー供与に比べて効率が良く、今後の見通しも明るい。またCATLは、交換ステーション1か所につき電力が平均56ワットの電池ブロックを約20台配備することができ、多数のステーションを建設することで電池の出荷量が大幅に増えることになる。
曽CEOは、電池交換をより広範囲で普及させるためには、特に重要である電池サイズを軸に引き続き交換基準の一本化に務める必要があると見ている。今回の大会では、「ガソリンに92号と95号があるように、Choco-SEBも2種類の交換パックを導入する。これらは20号、25号と名付ける」と述べた。
CATLはまた、電池の交換ステーションについても、給油をライバル視した形で来年にはChoco-SEB用のものを1000か所建設する予定と発表している。これについてはCATLの委託先である「時代電服」が実行する予定であり、その後は中期目標として時代電服およびパートナー各社が共同で1万か所建設し、最終的には民間資本全体で3万か所を設けるという。
この「3万か所」という数字も、中国全土で合計およそ10万か所というガソリンスタンドの数を念頭に置いたものである。曽CEOによると、将来は電池交換と家庭での充電、公共の充電が3本の柱となり、交換ステーションが3万~4万か所あれば給油同然の便利な形が出来上がると見ている。
中国は現在、新エネ車における電池交換事業について、EV大手の「蔚来」(NIO)とCATLがシェアを2分している。CATLはNIOより遅れて参入したが、今年に入って一気に取り組みを拡大している。この2社が競合関係となるかについて、業界関係者は「今のところ強力なライバル同士にはなっていない。NIOはCサイド(消費者)を、CATLは目下Bサイド(企業)または事業主を相手にしているからだ。ただCATLはこれから徐々に範囲をCサイドに広げていくだろう」と話している。
(中国経済新聞)