中国国家統計局がとりまとめた2023年の賃金に関する統計によると、都市部の非私営法人就業者の年間賃金は平均120698元(約258.4万円)で、前年より6669元(約14.3万円)増えている。
非私営法人には国有企業、集団企業、合弁会社、株式会社、外国企業、香港・マカオ・台湾の出資会社が存在し、平均賃金は総じて民間企業を大幅に上回っている。
非私営法人の平均賃金を地域別に見ると、21の地域で10万元(約214万円)を超えており、上位10か所は上海市、北京市、チベット自治区、天津市、浙江省、広東省、江蘇省、青海省、寧夏自治区、海南省となっている。中でも上海市と北京市は、ともに都市型企業としてハイテク産業や新興産業が非常に発達しており、高給の職務が多く人材が集まることから、他地域を大きく引き離し年間21万元(約450万円)以上となっている。最近の中国は「情報通信、ソフトウェア、情報技術サービス」、「金融」、「研究、技術サービス」が高賃金の業種となっており、北京や上海はこれらの業種がとりわけ集中している。
各社の本社の所在地を見ると、北京が飛びぬけて多い。国有大手や多国籍企業の大手が数多く立地しているほか、北京で成長している大手民間企業や他地域から移転してきた企業の本社もかなり多い。また上海は、大手多国籍企業の本社の数が中国トップであるほか、このところ浙江省、福建省、安徽省などから大手の本社が相次ぎ移転して来ている。
また、都市部の私営企業就業者の年間賃金は平均68340元(約146.3万円)で、前年より3103元(約66.4万円)増えており、成長率は名目上4.8%、物価の変動要因を除くと実質4.5%となる。地域別に見た賃金額の上位5か所は上海市、北京市、広東省、江蘇省、浙江省で、いずれも東部沿海部の発達した地域である。
賃金の絶対額については、都市部では非私営企業、私営企業を問わずやはり「情報通信、ソフトウェア、情報技術サービス」、「金融」、「研究、技術サービス」の3業種が上位となっている。
(中国経済新聞)