深センで日本人の児童が刺され死亡 容疑者の背景は?

2024/09/21 13:30

9月18日午前7時55分、深センの日本人学校に家族とともに通学中だった10歳の児童が男に刃物で襲われた。地元公安当局が直ちに現場に駆けつけて男をその場で取り押さえ、児童を近くの病院に搬送した。

深セン市衛生健康委員会によると、市の救急センターが120番通報を受け、すぐに最寄りだった前海蛇口自由貿易区病院の救急車を出動させ、8時15分に児童を病院に運んだ。医療救急グループ長である深セン市児童医院の麻暁鵬院長によると、「救急車は8時5分に現場に到着し、ただちに多重の救命措置を講じ、心拍が戻ったのちに手術室に搬送し手当をしたが、症状が重く19日深夜1時36分に死亡宣告をした」という。

現行犯逮捕されたのは鐘容疑者で44歳、漢族で職業不定であり、2015年に広東省東莞で通信施設を破壊したことで逮捕されて取り調べを受けたほか、2019年にはデマを飛ばして公共の秩序を乱したとして深センで拘留処分を受けた。今回の犯行については容疑を認めている。調査の結果、事件は偶発的なもので単独犯行であることが分かった。鐘容疑者は事件当日の9月18日に公安当局により拘留され、現在さらに詳しい調査が行われている。

この日本人学校は、富士フィルムの深セン現地法人が提案し、現地の日本商工会の会員各社が出資して、中国教育省の認可を経て設立された非営利的全日制学校という。在校生はみな深センやその周辺に住む日本人である。

9月19日夜、事件現場では花を捧げる人の姿が見られた。暴力に対して強い怒りや非難の声を上げ、「犯人は卑劣極まりない。法やモラルに対する挑戦であって絶対に許せない」という人もいた。また、「どこの国の子供だろうと、深センで暮らして学校に通っている以上は深センの子供だ」とのコメントもあった。そして、花を捧げて「家族が必要なら支えていく。みんな深センで生活しているのだから」と語る市民もいた。

(中国経済新聞)