ホンダ、中国の2工場を閉鎖 事業計画を見直し

2024/08/30 07:30

中国で、日系自動車メーカーが不振にあえいでいる。

電気自動車(EV)で後れをとってしまった大手各社が、EV時代に突入している中国で、力不足を感じ、疲弊している様子である。

トヨタ、ホンダ、日産など大手数社は2024年上半期、中国での販売台数が23年同期比で5.4-21.5%減となった。中国での日系車のシェアは、2021年には22.6%であったが2024年上半期は14.9%に後退している。

このうちホンダは、2023年1年間の販売台数は10.1%ダウンの123万4000台、さらに今年上半期は減少幅が21.5%に至る41万5906台で、3年連続の大幅な業績悪化となっている。

ホンダは中国に7つの工場を抱えている。自動車メーカーの中で最も早く中国に進出しており、1998年に広州汽車と合弁で「広州本田」を設立しセダンの「アコード」を製造し始め、後に東風汽車と合弁で「東風本田」を設立した。中国では都合7か所の工場を設け、年間生産能力は全世界500万台の約30%となる149万台に達し、最大の生産拠点としている。

しかしホンダは昨日(7月25日)、「広州の第4工場(年産5万台)を閉鎖し、さらに今年11月に武漢の第2工場(年産24万台)を生産停止する」と発表した。これにより中国での生産能力が計29万台、率にして19%削減されることになる。

日本経済新聞によると、ホンダは広州の第1工場を生産停止とする予定であり、この結果中国での生産能力が100万台に減少するとのことである。

このような中国事業の縮小はホンダが初めてではなく、三菱自動車がすでに撤退を発表しているほか、日産も6月に江蘇省常州市の工場を閉鎖すると発表している。トヨタは中国での生産体制について何ら発表がなく、現段階での事業計画は定かでない。

ただしホンダの2工場閉鎖は、中国撤退というわけではなく事業構造の見直しである。ホンダはすでに、中国でのシェア維持に向けてガソリン車を減らしEVを拡大すべく、現地にEVの製造工場2か所を設けると発表している。

ホンダは今年4月16日、2026年までに中国で「燁」という車名でEV6車種を導入すると発表した。まずは「燁S7」と「燁P7」を2024年末までに発売し、背水の陣で臨む姿勢を打ち出している。

このようなガソリン車頼みの日系車の販売不振は、産業チェーンにまで影響が及んでいる。

日本製鉄は7月23日、中国の宝山鋼鉄との合弁による自動車用鋼板製造事業から撤退すると発表した。トヨタの傘下である日野自動車も2025年に上海のエンジン工場を閉鎖すると発表、さらに化学メーカーの帝人がカーボン繊維など自動車複合成形材料の製造から撤退するとのことである。

また日本では、中国でガソリン車の生産が大幅に減ったことで、自動車部品のメーカーも影響を受けている。中国の産業チェーンをめぐり、自動車界が大規模な再編や事業の見直しを迫られている。

(中国経済新聞)