世界最大手のEV用蓄電池メーカーであるCATLは、四川省成都に世界初の新エネ車のショールームを開いた。1.4万平方メートル近い場所に約50の自動車ブランドから100近いモデルが展示されており、車載電池の供給会社であるCATLが「実店舗」を設けたことはかなり話題となっている。同社の李平副会長は「車の製造や販売はしない。目的は、メーカーにいい車を展示してもらい、いい車選びをしてもらい、新エネ車業界を急速に成長させるトータル的な場とすることだ」と述べている。
CATLはまた、アフターサービスのブランド「寧家サービス」も打ち出した。まずは電池の整備や性能検査、ロードサービスなどの実施に向け、国内に112か所の店舗を設けた。こうした取り組みから、CATLは今、法人向けから消費者向けという形に事業転換していることがわかる。
業界関係者によると、CATLは末端側での認知度を高めることで逆に法人向け事業の売上増を狙っているという。主要な産業中間品である電池は車選びの際に大きな決め手となる。CATLは、知名度を上げることで一段と差別化し、「牙城」を作ろうとしている。
CATLは業界内の争いについて、現在は車載電池の装着量で圧倒的に他社をリードしているが、のんびりと構えてはいられない状態である。車載電池は今、同一化が著しく、競争が激しくなる中で大手電池メーカーが値引き合戦を展開しており、セルの価格は利益がごく僅か、あるいは採算が取れないレベルに落ち込んでいる。また、自動車メーカーが次々と電池の製造を手掛け始めており、今年は7月までに民間大手の吉利ホールディングスの傘下企業である「極電新能源」と国有大手の広汽集団の傘下企業「因湃電池」が量産化を果たしている。現在の装着容量は、前者が2.25GWh、後者が0.36GWhである。
中国車載電池産業イノベーション連盟の最新データによると、CATL製の電池は今年1~7月、装着容量が112.73GWhで、シェアは3.41ポイント上昇し46.54 %となっている。また世界でのシェアについては、SNE Researchによると今年上半期は去年同期を2.1ポイント上回り37.8%となっている。
(中国経済新聞)