中国の県部10か所が都市部住民所得170万円以上、すべて江蘇省と浙江省に分布

2024/08/1 07:30

中国は2023年、県部の中で義烏、玉環、江陰、諸曁、昆山、張家港、常熟、太倉、瑞安、楽清の10か所が、都市部住民の平均可処分所得が8万元(約170万円)の大台を超えた。これらを地域別に見ると、江蘇省と浙江省にそれぞれ5か所ずつとなっている。江蘇省の江陰、昆山、張家港、常熟、太倉はいずれも南部に位置し、浙江省は義烏と諸曁を除いた玉環、瑞安、楽清の3か所が南東部の温台地域にある。

この中で、平均可処分所得がトップだったのは浙江省義烏で、前年比7.1%増の93108元(約199万円)であった。世界最大の日用品卸売り市場であり、最近はEコマースがとりわけ成長している。地元の郵便管理局によると、今年上半期の宅配便取扱件数は前年同期比16.7%増の60.07億件で、売上高は計142.4億元(約3041億円)であった。出荷数量は中国全体のおよそ7%を占め、県部では全国トップである。

義烏は今年に入り、オリンピックやサッカーの欧州選手権など国際大会の開催を控えてスポーツ用品の輸出が目立って増えており、上半期の貿易総額は初めて3000億元(約6.4兆円)に達した。この中でスポーツ関連用品や機材の輸出額は前年同期比42.3%増の50.2億元(約1072億円)となっている。

県部で可処分所得が2位だったのは浙江省玉環で、88361元(約189万円)であった。南東部の温台地域で商売人が多く、自動車・バイク部品、配管バルブ、家具、めがね、薬の包装材、工作機械の6品種が産業の中心となっている。

可処分所得3位は江蘇省南部の江陰で、84952元(約181万円)であった。以下、諸曁が84382元(約180万円)、昆山、張家港、常熟が8.3万元~8.4万元(約177万円~179万円)、太倉、瑞安、楽清が8万元~8.3万元(約171万円~177万円)となっている。

諸曁は、都市部だけでなく農村部も可処分所得が高く、去年は中国全体の県部でトップとなる52684元(約112万円)であった。真珠の養殖や加工が盛んであり、その多くは農村地域で行われている上、靴下製造など特色のある産業の存在が高額な所得につながっている。

(中国経済新聞)