広州医薬、会長が取り調べ受ける

2024/07/26 13:30

広州市政府から国有資産の経営管理先に指定されている製薬大手「広州医薬グループ」の子会社で、上場会社である「白雲山」は7月22日夜、李楚源(Li Chuyuan)会長が辞職願を提出したと発表した。「自己都合」とのことで、会長などを辞任し一線を退くという。別の複数の情報によると、取り調べのため当局に連行されたとのである。

白雲山の事業内容は、①漢方・西洋薬、化学系薬、天然薬、バイオ医薬、化学系薬中間体の研究開発、製造、販売 ②西洋薬、漢方薬、医療機械の卸売り、小売り、取引 ③ヘルシー関連商品の開発、生産、販売 ④医療サービス、健康管理、高齢者介護など健康産業への投資、などとなっている。

白雲山は2023年、売上高は前年比6.68%増の755.15億元(約1.62兆円)、会社帰属の純利益は同2.25%増の40.56億元(約869億円)であった。7月22日現在のA株の時価は503.67億元(約1.08兆円)である。

市場価値283億元(約6065億円)という白雲山に株式の45.04%を出資している広州医薬は、市場価値が1080億元(約2.31兆円)で、白雲山のほかに中国を代表する清涼植物飲料の「王老吉」や、創業400年以上という世界で最も歴史のある製薬会社「陳李済」など、老舗の12社を含むグループ企業30社を有している。また李氏本人は、広州医薬の共産党書記、会長という肩書も持っている。

李氏は7月13日に、広州医薬と(中国)アルツハイマー病予防協会の共催による「2024国際アルツハイマー病関連の国際学術大会」の開幕式で講演をしており、これが公の場での最後の活動となった。

公開資料によると、李氏は1965年生まれで59歳、広東省潮汕のスワトウ出身であり、略歴を見ると1988年に広州医薬に入社し36年間勤務している。

李氏は広州医薬で、技術者からスタートして課長、部長、総経理補佐、副総経理、総経理と着実に昇進し、2013年には社内ナンバーワンの座に座り、社内の共産党書記や会長を務めてきた。

広州医薬はその2013年に、3か所の取引所を再編して全社上場を果たし、組織替えにより医薬関連銘柄でA株における時価トップ級の会社となった。2017年には売上高が1000億元(2.1兆円)の大台に乗り、中国の工業分野で長年にわたりランキングトップを維持している。

(中国経済新聞)