ジャッキー主演の新作映画、口コミ、興収とも振るわず

2024/07/22 07:30

唐季礼(Tang Jili)氏が監督でジャッキー・チェン、レイ、グーリーナーザーがメインキャストを務める映画「伝説(The Legend)」は、封切りから7日間で興行収入が7000万元(約15億円)にとどまり、映画興行分析アプリ「猫眼」は最終的に約9200万元(約19.8億円)と予想している。口コミもあまり芳しくなく、「豆瓣」の点数は5.5点である。

「伝説」は、同じく唐季礼氏が監督を務め、ジャッキーとキム・ヒソンの主演で2005年に上映された「神話」の続編である。房教授(ジャッキー・チェン演)が発掘調査で神秘の薩満古玉を発見し、これにより助手の王靖(レイ演)とともに西漢の時代にタイムスリップし、戦上手な漢軍の大将になって広大な河西草原に向かい、騎兵隊を率いて国を守るため匈奴と戦い、匈奴の姫の夢雲(グーリーナーザー演)と1000年の時空を超えて結ばれゆく物語である。房教授と助手は真相を解き明かすために友人の雷振( リー・チェン演)を誘い、知られざるいにしえのレジェンドな物語を探るべく、祭祀の聖地を求めて氷河を奥深く進む。

制作費3億元(64.6億円)と言われるこの作品は、場面が様々な年代にまたがっている故、AIで27歳のジャッキーを描き出した上(俗に言う「顔合成」)、ジャッキーの登場シーンのうち70%以上がAIクローンとなっている。

しかし観客の間では、ジャッキーの「若返り」映像を評価する声は少ない。泣いている姿が笑っているように見えて不自然だとの指摘も多く、見ていて思わず吹き出してしまった人もいたようだ。また、顔合成を使いすぎて本人が出ているのかまるで見分けられず混乱する、との指摘もあった。

ジャッキーは、「伝説」の発表会が行われた7月11日午後、「これまでずっと真剣に演技をしていた中、技術で『AIの自分』を描き出すと聞いて、悩んでしまったが、AIによる映像をいくつか見たのち、やってみようと決意した」と述べている。

映画評論家の間ではジャッキーについて、最近は見どころがだいぶ薄れてきたとの見方も出ている。今でも映画への情熱があり、アクションシーンもプロと言えるが、過ぎゆく時の流れのせいか力不足になったとみられている。70歳を過ぎても映画に打ち込む姿に敬意を表する一方で、盛りを過ぎたわびしさも感じざるをえなくなったようである。

(中国経済新聞)