江蘇省の調達関連のホームページで発表された「共産党機関、官公庁、公的機関や団体、組織の2024-2025年度における新エネ車に関する調達対象公告(三)」で、テスラの後輪駆動タイプModel Yがリスト入りした。見積額は249900元(約553万円)で、調達部門によると、価格や装備が購入基準を満たしているとのことである。
江蘇省は今回、主に車の仕様や価格を選考対象としたという。Model Yの価格は上限である25万元(約553万)を切っている。
また江蘇省によると、今回の調達についてはテスラ自身が申し出たとのことで、調達部門で仕様や価格を評価した結果、採用条件を満たしていると判断した。実際に省で購入するかは利用者の意向を見るとしている。また省が「輸入品は別途承認が必要なので調達の対象とはしない」と表明している中、調達部門のある職員は「テスラは輸入車ではなく国産(の車)だ」と説明した。テスラの上海工場は、部品の95%以上が中国製だという。
今回、テスラ車が政府の調達対象となった理由の一つは、データの安全性が基準を満たしたからである。中国自動車工業協会は4月28日、中国で造られたModel 3とModel Yは、外国企業の車として唯一、データセキュリティー4項目の基準を満たしたという。テスラは2021年に上海にデータセンターを設けてデータの中国保存を実現した上、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO27001」を取得している。
さらにテスラは中国で、フルセルフドライビング(FSD)の早期導入が期待されている。去年11月には中国の利用者マニュアルでFSD(Beta)の紹介内容が更新されたほか、今年6月には、「上海の自動運転モデルエリアで路上道路テストの許可を取得し、現在FSDをテストしている模様」とも報道されたが、これについてテスラはコメントを控えている。
テスラが7月2日に発表した第2四半期の生産・納入報告を見ると、生産台数は前年同期比14%減の41.08万台、納入台数は同じく5%近く減って44.4万台であった。最新のデータでは、6月の上海ギガファクトリーでの納入台数は7.1万台以上で、テスラ全体の中国での販売台数は前月比7%増の5.9万台以上であった。また第2四半期の中国販売台数は、前四半期より10.2%増えている。
(中国経済新聞)