金塗りの銅80トンを「純金」と称し4000億円をだまし取る

2024/05/30 17:30

中国で、2020年に金宝飾品大手メーカーに数えられていた湖北省武漢の「金凰珠宝」が、金を塗った銅80トンを「金」と偽って200億元(約4339億円)の融資を手に入れていたことが分かり、論議を呼んでいる。

2024年5月28日、湖北省武漢市の中級裁判所は、金凰珠宝とその経営者である賈志宏被告など18人に判決を下し、賈被告に対しては無期懲役を言い渡した上に全財産の没収と政治的権利のはく奪を命じた。また金凰珠宝、金凰実業集団、合肥渤銀投資諮詢にも罰金の支払いを命じている。

金凰珠宝は、2015年から「金の抵当+保証書」との形をとり、金融機関に抵当としてAu999.9の純金を提供する見返りとして、中国人民財産保険湖北支社などと損害保険の契約を結んでいた。

金凰珠宝は2018年、複数の金融機関から大量の金を抵当に融資を得た。ところが2019年の後半から、長安信託、東莞信託による金凰珠宝への融資返済が相次ぎ繰り延べとなり、民生信託、東莞信托、恒豊銀行、湖北仲景貿易などが倉庫にあった抵当の金の中身を調べたところ、「金メッキを施した銅合金」であることがわかった。

金凰珠宝は、銅の表面に金メッキを施したものを「金」と称して80トン以上を担保とし、金融機関からおよそ200億元(約4339億円)を借り受けていたのである。

民生信託や東莞信託などがのちに相次いで通報し、不正行為が発覚し始めた。金凰珠宝はその後上場を廃止し、経営者である賈被告が逮捕された。

金凰珠宝は2002年8月に設立され、2007年10月に株式会社となり、2010年8月18日にアメリカでナスダック上場を果たした。公式発表によると、研究開発デザインから生産、製造、卸売りまでを手掛ける大手の金宝飾品生産会社である。

賈被告は公開情報によると、1961年生まれで国籍は中国、武漢金凰珠宝の会長である。2016年8月に同社の執行取締役兼総経理となり、シニアエコノミストで、武漢大学大学院経営学科卒、「中国優秀民間テクノロジー実業家」など多くの栄誉を獲得している。

今回の事件で、賈被告の未払いの負担金額は現段階で150億元(約3254億円)以上となっている。

(中国経済新聞)