ロボットレンタル、価格急落と需要拡大 日額最大60万円から10万円へ転換

2026/03/19 11:30

中国でロボットレンタル市場の拡大が続くなか、価格下落と需要急増という構造変化が鮮明になっている。

ロボットレンタルプラットフォームのQingtianzu(擎天租)は3月18日、エンジェルラウンドおよびエンジェルプラスラウンドで総額1億元規模(約20億円)の資金調達を完了したと発表した。出資はDayang Motor(大洋電機)、Muhua Kechuang(慕華科創)、Minzhuo Electromechanical(敏卓機電)などが主導し、Lehua Entertainment(楽華娯楽)やドイツ系投資会社が参加した。調達資金は、全国的なサービス提供網の整備やロボット資産の運用・配分能力の強化、基盤システムの開発に充てる。

同社は現在、シリーズA前段階の資金調達も進めており、進捗はすでに過半に達しているという。

同日には都市パートナー戦略の発表会も開催された。李一言最高経営責任者(CEO)は、この仕組みについて「プラットフォームが受注を一括管理し、パートナーが実務を担う」と説明。パートナーによる独自の受注開拓も可能で、取引はすべてプラットフォーム内で完結する。収益配分はパートナー側に厚く、投資回収期間の中央値は約6カ月としている。

従来のフランチャイズ方式と異なり、加盟金は不要で、プラットフォームが設備、運用、決済、サービス基準を提供する。当初は約2000人の募集を予定していたが、応募はすでに2万人を超えた。

市場全体でも参入が相次いでいる。JD.com(京東集団)の直営サービスや他のレンタル事業者も加わり、競争は激化している。その結果、2025年初には1日あたり1万~3万元(約20万~60万円)だったレンタル料金は、現在では3000~5000元(約6万~10万円)まで低下した。

同社の王明峰最高戦略責任者(CSO)は、「初期に高額だったのは情報の非対称性によるもので、現在の価格調整は市場の健全化を示すものだ」と指摘する。春節以降は需要が急拡大し、価格が下がる一方で受注は急増しているという。

また、レンタル形態にも変化がみられる。短期・長期・プロジェクト型の3形態のうち、これまで主流だった短期利用から長期利用への移行が進んでいる。特に飲食業界では、集客や顧客対応の手段としてロボットを常設する動きが広がっている。例えばHaidilao(海底撈)では、従来のマスコットやキャラクターに代わり、ロボットによるサービス提供が試みられている。

こうした変化について王氏は、「比較的簡易な用途でもロボットの実用価値が認識され始め、市場は成熟段階に入りつつある」と分析する。現在は消費者向けの比較的軽い用途が中心だが、今後はより高度な技術が求められる産業用途への展開も見込まれる。

ロボットレンタル市場は、価格の適正化と需要拡大が同時に進む新たな局面に入った。今後は開発費や運用コストといった制約を踏まえつつ、市場原理に基づく価格形成が進むとみられる。

(中国経済新聞)