中国、5月連休の映画興収が320億円を突破

2024/05/11 14:30

中国映画情報アプリの灯塔専業版によると、2024年5月の大型連休枠(5月1~5日)における中国本土の映画興行収入は15億元(約323億円)を超え、6日22時の時点で15.95億元(約336億円)となっている。作品別に見ると、国内制作のアクションもの「維和防暴隊」(Formed Police Unit)が4.18億元(約90億円)でトップ、同じく国内品のコメディ「末路狂花銭」(The Last Frenzy)が4.12億元(約88.7億円)で2位、香港の犯罪映画「九龍城寨之囲城」(Twilight of the Warriors: Walled In)が2.75億元(約59.2億円)で3位となっている。

連休初日の興収は4.12億元(約88.7億円)であり、この日封切りの「維和防暴隊」(Formed Police Unit)は1.36億元(約29.3億円)で作品別トップに立ち、上映率は27%であった。次点が「末路狂花銭」で8649.97万元(約18.6億円)であった。

中国映画評論学会の胡建礼(Hu Jianli)事務局長によると、今年の5月連休枠の興収は2021年の16.73億元(約360億円)に次ぐ過去2番目だったという。「主力作品の評価はあまり芳しくなかったが、カテゴリーやタイプが様々で客の入りもよく、興収全体を押し上げた点は評価できる」と述べた。

最新の興収ランキング上位3作品について、まず「維和防暴隊」は中国で初めて海外の平和維持に焦点を当てた民間アクションものであり、人気俳優のホアン・ジンユーワン・イーボーなどがメインキャストを務めている。中国の平和維持警察が国連の要請を受けて異国の地で活動や任務をこなす姿を描いたもので、豪華なキャストや胸に突き刺さるテーマが評判で、前売りの段階から大勢の映画ファンの注目や後押しを受けていた。

次に「九龍城寨之囲城」(Twilight of the Warriors: Walled In)は、香港のアカデミー賞で優秀監督賞を受賞した鄭保瑞氏(ソイ・チェン)がメガホンを取り、ルイス・クーやサモ・ハン・キンポーなど実力派俳優が揃う本場の香港アクションものである。香港映画らしい魅力が表現されている上、このほどカンヌ映画祭で夜間上映賞に選ばれ、海外でも印象を残すものとなった。中国電影がプロデュースし、横店影視の関連会社が配給元になっている。

「末路狂花銭」(The Last Frenzy)はウリナ氏が監督・脚本を務め、ジア・ビン、タン・ジュオ、シャオ・シェンヤン、ユー・ヤン、董宝石らが出演し、イン・ダー氏がディレクターを務めるコメディ作品である。うだつが上がらないまま中年を迎えた賈有為(ジア・ビン演)が脳腫瘍であと10日の命と診断されたことを受け、取り壊すと噂された古い実家を売り払い、かつての社宅の幼なじみに再会し、残された日を自由気ままに生きようと決めたことで笑いを誘う出来事が次々と生じる。プロデュースは中国電影など4社が担当している。

(中国経済新聞)