浙江省杭州の「貝殻研究院」によると、杭州市の3月の中古住宅ネット契約数は前月比236%増の8557件であった。平均価格は同2%上昇の29767元/平方メートル(約62.4万円)で、前年比7%減ではあるが下げ止まりを果たした。また、仲介業者を通じた成約数は前月比289%増の5971件であった。
杭州市は3月14日に中古住宅の購入制限を完全撤廃し、中心部で教育、商業、医療資源を備えた各物件を中国全体の購入希望者に向けて売り出し始めたことで、こうした盛況を招いた。
3月の成約数の推移を見ると、月初めは1日あたり200件以下だったが、制限が撤廃された14日以降は徐々に増えていき、のちに300件を超えていった。購入制限の対象域を縮小して成約が一気に増えた去年11月とほぼ同じレベルに回復している。
ただ、去年3月と比べれば20%以上のマイナスである。去年はコロナ禍を抜けて初めての「金の3月・銀の4月」というかき入れ時だったためであり、杭州はその後2度にわたり購入制限を緩和したが、それでも今年3月の成約数は去年同期に及んでいない。
今年3月はまた、仲介業者による物件の見学数が前月比224%増、前年比39%増で、単月としては4年ぶりの高水準であり、今後さらに活況となりそうである。制限撤廃により売り出し件数もどんどん増えており、現在は15.87万件で、うち3.5万件が値下げ物件である。
貝殻研究院の上官剣院長は、「杭州の不動産は今、かなりちぐはぐな状態に置かれている。3月は中古住宅の成約が増えて市場は回復したようだが、増加の理由は値下げによるものだ」と述べている。第2四半期は状況がさらに落ち着き、全体的には第1四半期を上回るとも予想しており、「安値で勝負」との策が続いて数量自体はかなりのレベルを維持しそうである。
(中国経済新聞)