中国EC大手のアリババグループ傘下のフリマアプリ「閑魚」(シェンユー)は、3月12日の時点で、1日平均取引額が10億(約205億円)を超えた。この1年間は成長がめざましく、1日およそ400万件、年間で1億点を超える商品が発表されており、取引が活発で人気を集めている模様である。
この中で、1995~99年生まれの世代での利用者が特に多く、去年1年間で3000万人が新規ユーザーとなった。これら若者世代は、単なるアプリ利用者でなく、新たな生活様式や多様な形の取引を始めており、これによって閑魚は一段と活気が出ている。データを見ると、この世代が過去1年間に閑魚を通じて手にしたお金は平均2700元(約55000円)で、人生初めての商売をしている気分になった人も多い。
閑魚は従来の形以外に、若いユーザーの様々なスキルや工夫を通じて利益獲得への新たなアイデアを打ち出している。資産運用の相談サービス、羊毛フェルト、夜の出店などは若者たちの「金持ちへの秘策」になっている。中でも資産運用の相談は今年の取引量が前年比280倍増であり、莫大なユーザーを集めている。
また閑魚は、増え続けているペットの愛好者を対象に、飼いならしや犬の散歩代行といったサービスも手掛けている。羊毛フェルトの取引量は前年比481%増、飼いならしは同337%の増加となっている。
買い物についても、合算購入やレンタル、現物交換など、シェアリングエコノミーや循環経済といったアイデアを導入している。特に「独身の日」セールでは60万人以上が合算購入での取引をしており、買い物を一段と割安なものにするスキルが示されている。
このほか、品物の下取りも利用者が増えている。特に春節連休の後は、携帯電話の出品量が連休前より124%増えており、環境に配慮した消費が支持されていることがわかる。
閑魚は、取引アプリという存在を超え、若者の生活様式を体現するコミュニティーになっており、趣味をお金に換え、それを次々と繰り返す生活様式を覚えたユーザーが多い。フィギュアのペインターや流行鑑定士など、趣味的なサイドビジネスが人気商売となり、プランナーの登録者数が5万人以上である。それぞれの注文の裏には深い付き合いが存在し、売買双方が納品確認後もやり取りをするなど、コミュニティーとしての独自の魅力が現れている。
(中国経済新聞)