中国の新興自動車メーカー「理想汽車」(Li Auto)は2月26日、2023年の第4四半期および年間の監査前決算を発表した。売上高は第4四半期が前年同期比136.4%増の417.3億元(約8722億円)、年間では前年比173.5%増の1238.5億元(約2.59兆円)であり、新興メーカーとして初めて年間売上高が1000億元(突破2兆円)を突破した。
規模の拡大とともに経営コストが改善している理想汽車は、2023年第4四半期の純利益57.5億元(約1202億円)で、粗利率は23.5%であった。
年間の純利益は118.1億元(約2469億円)で、新興自動車メーカーとして初めての黒字となった上、世界の新エネ車メーカーとしてもテスラ、BYDに次ぐ3社目の利益計上となった。
理想汽車の2023年第4四半期のキャッシュフローは過去最高となる146.4億元(約3060億円)で、また2023年末の現預金額は1億元(20億円)を超えている。
潤沢な資金により引き続き研究開発にも力を入れており、2023年の研究開発費は第4四半期が前年同期比68.6%増の34.9億元(約730億円)、年間では前年比56.1%増の105.9億元(約2114億円)で過去最高となった。
こうした投入や研究開発のプラットフォーム化、システム化への体制作りにより、2023年は計20回にわたりOTAアップデートを果たした。
理想汽車はまた、厳しいコスト管理や効率的な運営体制により、2023年第4四半期の販売費・一般管理費は32.7億元(約684億円)で、費用率は去年同期に比べて7.8%まで下がっている。
2024年第一四半期については、販売台数が10万~10.3万台で前年同期比90.2%~95.9%の増加、売上高は312.5億元~321.9億元(約6532億円~6728億円)で同じく66.3%~71.3%増となると見込んでいる。いずれも同時期では過去最高となる。
またインフラ関連で、2024年2月25日現在、全国114の都市で計344か所の急速充電ステーションを設けており、2024年末までに2000か所とする予定である。交通量の特に多い18本の高速道路および三線以上の都市の中心部の60%をカバーする見込みである。
2月初めに発表された「2023年フォーチュン・グローバル500」で、理想汽車は評価額3110億元(約6.5兆円)で初のランクインを果たした。500社の中でも特に若い企業で、また自動車メーカーでは唯一の新規ランクインとなっている。
(中国経済新聞)